2016-11-28
コニカミノルタ(株)は,カセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR fine (エアロディーアール ファイン)」を,2016年12月下旬に発売予定。
「AeroDR fine」は,放射線科撮影室だけでなく,病棟回診,ICU,救急外来,手術室など様々な場面に活躍の場を拡大してきたデジタルX線撮影装置「AeroDRシリーズ」の新たなフラッグシップモデルとなる,世界最高レベルの解像度※1を達成したワイヤレスタイプの可搬型DR※2である。
近年,先進国を中心として,医療における情報連携を効率的に行うことを目的に,各政府によって医療分野のデジタル化が推奨されている。コニカミノルタは,「AeroDR fine」の発売を機に,新たな機能診断※3ソリューションの提供で,より広い診療領域に対して画像診断分野のデジタル化の推進に寄与し,診断・治療の効率アップと医療費抑制に貢献できると考える。
また,日本では,医療費の増加や高齢化社会の到来に対し,「かかりつけ医」や「在宅医療」によるプライマリケア (初期包括ケア)が重要視されている。「AeroDR fine」は,プライマリケア分野に対しても,病気の早期発見のために高い臨床価値を生む新たな画像診断システムとして提案していく。
●「AeroDR fine」が提供する価値
1.細かい部分も見やすくなり,診断精度の向上に寄与
「AeroDR fine」では,センサーパネルのサンプリングピッチ (画素サイズ) 100μmを実現することで,世界最高レベルの解像度を達成した。これにより,整形領域における手指骨画像などの微細構造を拡大表示する際,従来よりも格段に見やすい画像を得ることができ,診断精度の向上に寄与する。
2.安心で安全な診断をサポート
コニカミノルタの「AeroDRシリーズ」は,高いX線光子検出効率とダイナミックレンジの拡大により,かつてのX線フィルム撮影やCR※4の約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得ることができる。これにより,患者への被曝リスクを大幅に低減することに成功し,保育器や小児用撮影台などのX線撮影も可能になった。
今回「AeroDR fine」では,さらに低線量化を実現し,CRに対してX線照射量62%低減を達成した。また,電源にはリチウムイオンキャパシタ※5を採用しており,リチウムイオン二次電池に比べ安全性が高く,過充電,落下衝撃などに起因する発火の心配がない。
3.撮影現場での使い勝手と作業効率を追求
「AeroDR fine」は,発売5年で世界販売台数10,000台以上の実績をもつ「AeroDRシリーズ」の高い作業性を引き継いだ。
病室の撮影で,X線撮影を行う技師は片手で患者を支えたりするために,片手で本体を扱うことが多く,女性の技師でも楽に取り扱いできるよう軽さが求められる。「AeroDR fine」は,カセッテ型DRでは最軽量クラスの2.6kgを実現した。また,持ちやすくするために,カセッテ背面の全周に凹み部を設けて指が掛けられるようにした。これにより,片手でも本体をしっかりホールドすることができ,本体の落下を防ぐとともに,腕に掛かる負担も少なくなり,撮影作業の効率化も期待できる。
そのほかに,検査室に加えて,手術室,救急医療,災害現場など様々な場面での利用拡大に伴い,ハードユースに耐えうる性能として,耐荷重 (点荷重:180kg,面荷重:400kg),耐落下性能の向上,防水設計 (IPX6)といった堅牢性も実現させている。
※1:2016年11月28日現在。ワイヤレスタイプのカセッテ型デジタルX線撮影装置において。
※2:Digital Radiography: 照射されたX線をセンサーパネルで受光し,ダイレクトにデジタル画像を得るため,一般的にCRよりも画質が良く,また即時性に優れる。
※3:病態生理学的診断。生体の機能の状況から病気の診断を行うこと。
※4:Computed Radiography: 従来のX線フィルムに代わり,イメージング・プレート (IP)上にX線画像を記録し,これを読み取り装置でデジタル画像に変換する。
※5:キャパシタとは,静電容量(キャパシタンス)により,電荷を蓄えたり放出したりする電子部品の総称であり,日本ではコンデンサとも呼ばれている。
●問い合わせ先
コニカミノルタジャパン(株)
TEL 03-6324-1080
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