2016-7-25
curon
(株)情報医療は,インターネットを通じて医師の診療を受けられるスマホ診療プラットフォーム「curon(クロン)」(https://curon.co ) を2016年4月より提供している。本年7月より,京都大学医療疫学講座との共同研究事業として,スマホと人工知能を活用した服薬継続の効果及び遠隔診療の安全性を検証する実証研究を開始した。
年々増え続ける国民医療費のうち約3割,また,死亡者数の約6割を生活習慣病が占めるとされている。一方で,生活習慣病の内服治療において,一年のうちにそのうち半数ほどが,服薬をやめてしまうと言われている。
これら生活習慣病を含む慢性疾患の予防・疾病マネジメントの重要性は,長らく指摘されてきており,様々な手法が提案されてきた。しかし,多忙な医療現場では,通常の診察・処方をする以上のケアを患者に提供することは難しいのが現状であった。
同社はこの課題を解決すべく,服薬を継続したい患者と,服薬継続を支援したい医師のためのインフラとして,スマートフォンと人工知能を活用したスマホ診療プラットフォームを提供している。2015年11月に高知県の支援を受け,医師や人工知能専門家を含むチームで創業。2016年4月には日本初となるスマホ診療アプリをリリース。医師向けにはウェブベースのアプリケーション,患者向けにはスマホアプリ(iOS版とAndroid版)を用意し,診察・処方・決済に加えて,服薬継続のサポートまでを行うサービスを提供している。
服薬継続のサポートには,ディープラーニング技術を組み込んだ人工知能curon AI(クロンAI)を活用する。患者の性格や好みに応じた,効果的な服薬継続のサポートを提供。より多くの患者に使ってもらうことで, curon AIは学習をつづけ,より患者に寄り添ったサポートが出来るようになる。
効果の実証のため,2016年7月より同社は京都大学大学院医学研究科医療疫学講座(http://www.healthcare-epikyoto-u.jp/ )との共同研究事業を開始した。スマホ診療プラットフォームと人工知能を活用した服薬継続のサポートによって,服薬の継続率をいかに高められるかを検証する研究を行っている。同時に,遠隔診療によって診療の安全性が保たれることも検証する。京都大学の福間准教授は「疾患・服薬管理に深層学習を活用した興味深い取り組みであり,実証研究でその成果を明らかにしていきたい」と述べている。
服薬の継続が必要な慢性疾患の患者に,遠隔診療を安心・安全に使ってもらい,患者に寄り添った服薬継続のサポートを提供する。そして,アカデミアと協働してエビデンスを築き,遠隔診療の制度形成にも貢献することを目指している。
●問い合わせ先
(株)情報医療
contact@micin.jp
https://micin.jp/