2016-7-4
富士通(株)は,地域のかかりつけ医として診療を行っている安井内科(兵庫県宝塚市)に,診療所向け電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-SX(ホープ ライフマーク エスエックス)」(以下,HOPE LifeMark-SX)を提供し,安井内科では本システムを活用した診療をスタートしている。
「HOPE LifeMark-SX」は,受付から診察,会計請求までを一貫して行える医療事務・電子カルテ一体型システム。適時更新される新薬情報をクラウド経由で把握できるほか,多様なクラウドサービスと連携することで,電子カルテ情報のBCP対策や,スマートデバイスやモバイルPCを活用した院外からの電子カルテ入力・参照などが可能である。これにより,安井内科では,最新情報に基づいた適切な薬の処方や,往診時の効率化を実現する。
同社は,今後も,安井内科の医療事務や診療業務を支援し,地域に根づいた高品質な医療の展開に貢献していく。
●背景
安井内科は,兵庫県宝塚市において地域のかかりつけ医として医師・看護師・医療事務スタッフ4名からなる診療所を開設し,高齢者の慢性疾患に対する定期的な診療を中心に,地域の基幹病院とも連携した医療を展開するほか,往診や看取りなどにも対応する地域に根ざした医療を提供している。
2007年から同社の医療事務システム「HOPE SX-J」を活用し,診療業務の効率化を図ってきたが,診療報酬改定など医療保険制度の今後の動向や将来的な地域医療連携への対応を考慮し,電子カルテシステムの導入を検討してきた。今回,同社は医療事務・電子カルテ一体型の「HOPE LifeMark-SX」を安井内科に導入し,稼働を開始している。
●導入システムの概要
1.受付から診察,会計請求までをトータルにサポート
医療事務と電子カルテの一体型システムとして,受付から診察,会計請求までをトータルにサポート。会計請求機能では,窓口会計時にレセプト(注1)電算データをリアルタイムに自動作成するため,安井内科では月末月初に集中しやすいこれらの請求業務を平準化できた。また,医師,看護師,医療事務スタッフとの情報共有に,伝言メモ機能を活用し,患者の症状に対する注意事項などを電子カルテ上で共有することで,安全な診療に役立てている。
2.新薬情報をクラウド経由で入手
「HOPE LifeMark-SX」では,診療報酬改定などの医療保険制度改定やシステムバージョンアップに伴う最新プログラムへの更新,新薬などの医薬品情報をクラウド経由で配信する。これにより,従来は薬局に尋ねたり,製薬メーカーから取り寄せたりしなければならなかった薬の最新情報が常にアップデートされ,電子カルテの画面で参照することができる。処方する薬についてすぐに調べられるため,患者の待ち時間の短縮によるサービス向上や,新しい情報に基づいた適切な処方を行うことができる。
3.様々なクラウドサービスと連携し,BCP対策などを実現
「HOPE LifeMark-SX」は,パッケージソフトウェアとして導入された後,電子カルテシステムと連携する様々なクラウドサービスを活用できる。安井内科では,電子カルテの情報をクラウド側でデータバックアップするクラウドBCP機能を採用しているほか,2016年7月より,スマートデバイスやモバイルPCで往診先でのカルテの入力・参照が可能なモバイルカルテ機能も活用する予定。
4.シンプルな画面デザインと豊富な入力ツールによるスピーディーなカルテ作成を支援
「HOPE LifeMark-SX」では,スマートデバイスでも使いやすいフラットデザインを採用し,シンプルで見やすいユーザーインターフェースを追求している。また,入力支援ツールとして,テンプレート,メディカルセット(注2),シェーマ(注3)入力,チェックシート,診療報酬点数検索などを用意し,スピーディーなカルテ作成を支援する。これらの入力ツールは施設や診療科,個人の診療スタイルに合わせてアレンジでき,安井内科では,日々の診療の中でよく使用するテンプレートを疾患別に作成し,最適な入力を実現した。
注1 レセプト:診療内容に応じた保険診療報酬を審査支払機関に請求するための診療報酬明細書。
注2 メディカルセット:症状・経過,処置・処方,病名などのカルテ記載内容を雛形化したカルテ入力ツール。
注3 シェーマ:カルテ記載時に利用する身体部位の絵図。
●問い合わせ先
富士通コンタクトライン(総合窓口)
TEL 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
http://www.fujitsu.com/jp/