2016-5-12
Chorale
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,狭小スペース向けに開発されたX線骨密度測定装置「Chorale(コラール)」を5月12日(木)より販売開始する。
日本は超高齢社会に突入しており,急速な高齢化に伴う国内の骨粗しょう症の患者数も増加している。骨粗しょう症は骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気で,最初は自覚症状もないため骨密度測定を含む診療時には,一人ひとりの骨折危険因子や病態を的確に評価していくことが重要である。骨粗しょう症患者数は1,300万人*1と推測されているが,正式な骨粗しょう症診療を受けているのはその中の20%*2ほどにとどまると言われている。これは,本格的な検査が可能なX線骨密度測定装置(DXA*3)の使用が主に基幹病院や骨粗鬆症専門クリニックに限られていることが要因の一つと考えられる。また,実際に診療を行う現場においては,X線骨密度測定装置のデータの精度,スキャン測定から測定データのレポーティングまでのワークフローの効率化のほか,装置の操作性の簡便化や低被ばく化,限られた設置面積における設置性の改善などが求められている。
今回発売する「Chorale」は,同社のDXAラインアップに新たに加わる,現場のニーズに応えた新製品である。従来の装置は,サイズがやや大きく一般撮影室内での設置や併用が困難な場合があった。「Chorale」は狭小スペースへの設置を可能にするため,それまでのコンパクトタイプのDXA装置(PRODIGY-C)に比べ奥行を30㎝ほど短くしたことで,設置・運用可能な条件を大きく緩和した。これにより,これまで設置されていなかった整形外科クリニックや内科系クリニックにおける使用が増えることで,広範に骨粗しょう症患者のケアが可能になると期待される。また,「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」に謳われている骨粗しょう症の診断のスタンダードともいえる腰椎,大腿骨の骨密度測定においては,同社上位機種と同等の精度を維持,さらに,ポジション変更することなく腰椎・大腿骨の一連での検査を可能にする「OneScan」機能も搭載することで,ワークフローの向上にも寄与する。
*1: 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版 http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf
*2: 骨粗しょう症ホームページ http://www.iihone.jp/colum/column20150619/colum_098.html
*3: DXA法:Dual Energy X-Ray Absorptiometry法。骨粗しょう症の診断,治療において,骨量,骨密度を測定するために使用される方法。
●「Chorale」製品特長
シンプルで快適な検査と解析,高い生産性でスマートなワークフローを実現
・X線骨密度測定は,一般的測定では「腰椎位置決め⇒腰椎測定⇒大腿骨位置決め⇒大腿骨測定⇒腰椎解析⇒大腿骨解析」の6ステップを踏むが,同社の「OneScan」機能により,「腰椎・大腿骨の括ポジショニング⇒腰椎・大腿骨の一括測定⇒自動一括解析」という3ステップでの一連の検査が可能となった。この結果,検査時間短縮による検査効率の向上,検査枠の増加等が期待できる。
低被ばくと短い検査時間,だから患者さんにやさしい
・標準モードにおける腰椎・大腿骨近位部の測定時の入射線量は21μGy。これは通常の胸部一般レントゲンの約1/10程度に相当する。
※胸部一般レントゲンの被ばく量は同社一般撮影装置をもとに試算している。
・腰椎正面および大腿骨の測定時間は標準モードでそれぞれ約1分程度である。検査時間短縮を可能にする「OneScan」機能により,患者さんの負担も軽減される。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)コミュニケーション本部
ブランチャード/松井
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp