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富士フイルム,14×17インチ「FUJIFILM DR CALNEO Smart S47」と幅広タイプの「FUJIFILM DR CALNEO Smart S77」を新発売〜X線感度の向上により,低線量・高画質の撮影に貢献〜

2016-4-13

「FUJIFILM DR CALNEO Smart S47」「FUJIFILM DR CALNEO Smart S77」

富士フイルム(株)は,低線量・高画質を実現した世界最軽量(*1)の14×17インチデジタルX線画像診断装置(以下,「カセッテDR」)「FUJIFILM DR CALNEO Smart S47」(以下,「CALNEO Smart S47」)を,富士フイルムメディカル(株)を通じて平成28年4月15日より発売する。また,従来機(*2)と比べてさらなる軽量化とX線感度の向上を実現した17×17インチの「FUJIFILM DR CALNEO Smart S77」(以下,「CALNEO Smart S77」)も同日に発売する。
なお,この2製品を,4月15日から17日までパシフィコ横浜で開催される「2016国際医用画像総合展(ITEM2016)」に出展する。

平成26年12月に販売を開始した富士フイルムのカセッテDR「CALNEO Smart」シリーズは,独自開発のノイズ低減回路(*3)とISS方式(*4)の画像読取技術により低線量でも高画質なX線撮影が可能なだけでなく,独自のフレームによる高堅牢性と取り回しの良さ,抗菌コートによるパネル全面抗菌仕様などによって実現した高い実用性が評価され,導入施設から大変ご好評を得ている。

今回発売する「CALNEO Smart S47」および「CALNEO Smart S77」は,フラットパネルセンサの内部構造を見直したことにより,「CALNEO Smart」シリーズの特長を維持しながら,さらなる軽量化とX線感度の向上を実現したカセッテDR。パネルの蛍光体には,温度や湿度などの環境変化に強いGOS(ガドリニウムオキサイドサルファ)を使用。大きな蛍光体粒子同士の隙間を小さな蛍光体粒子で埋めて密度を高めた独自設計の蛍光体層を採用している。X線感度を示すDQE(*5)は,GOS蛍光体で世界トップクラスの31%(*6)を実現。従来機よりX線感度がさらに向上した。また,「CALNEO Smart S47」においては,14×17インチサイズのバッテリー交換式カセッテDRとして世界最軽量の2.5kgを実現した。さらに,コンソール機能とビューア機能,ファイリング機能を集約した,クリニック向けの画像診断ワークステーション「C@RNACORE(カルナコア)」(*7)と連携すると,胸部正面のX線画像から骨の陰影を低減して,肺野(*8)内の肋骨・鎖骨に重なる病変などを確認しやすくする「胸部アドバンス処理」といった,読影を支援するさまざまな画像アプリケーションを使用できる。これにより,読影時間の短縮化や読影精度の向上が期待できる。

*1 バッテリー交換式で,14×17インチのカセッテサイズデジタルX線画像診断装置として。平成28年4月1日現在。同社調べ。
*2 「FUJIFILM DR CALNEO Smart」シリーズのGOSタイプ。
*3 X線情報をセンシングする性能を高め,かつX線を低ノイズで検出することを可能とした電気回路。
*4 ISS(Irradiation Side Sampling)方式。従来型のFPDと反対側のX線照射面側にセンサーを配置し,X線の照射面側よりX線から変換された光信号を読み取る同社独自方式。
*5 Detective Quantum Efficiencyの略。X線情報を検出システムがどの程度無駄なく補足して画像に役立たせているかの尺度。DQEが高いほど高画質な画像が得られ,低線量化が可能となる。
*6 X線撮影の測定条件として標準的な「線量1mR(ミリレントゲン),周波数帯1cyc(サイクル)」の条件下において。
*7 富士フイルムの提供する,クリニック向け医用画像診断ワークステーション(販売名:富士画像診断ワークステーションCC-WS674型 認証番号;22200BZX00909000)。
*8 気管支の末梢から,その先にある肺胞に至るまでの部分。

●主な特長

(1)トップクラスの高画質・低線量を実現する富士フイルム独自の技術
独自開発のノイズ低減回路と,X線照射面側から発光信号を読み取るISS方式のFPDを搭載。さらに,写真フィルムで培った精密塗布技術や粒子形成技術を応用し,大きな蛍光体粒子同士の隙間を小さな蛍光体粒子で埋めて密度を高めた独自設計の蛍光体層を採用することでX線吸収量をアップし,少ないX線量でも高画質な画像を得ることができる。今回,フラットパネルセンサの内部構造を見直したことにより,X線感度がさらに向上。GOS蛍光体では世界トップクラスのDQE31%(1mR, 1cyc)を実現した。

(2)「CALNEO Smart」シリーズと比べて,さらに軽量化
金属の中で軽量かつ強度性能に優れたマグネシウム合金を採用。また,フラットパネルセンサの裏面カバーの内側全面をリブ補強した独自のフレームにより,世界トップクラスの全面耐荷重310kgの高い堅牢性を備えている。フラットパネルセンサの内部構造を変えたことで,さらなる軽量化を実現。「CALNEO Smart S47」は,14×17インチサイズのバッテリー交換式カセッテDRとして世界最軽量の2.5kgを実現した。また,「CALNEO Smart S77」は,従来機より軽量な3.1kgを実現した。

(3)画像診断ワークステーション「C@RNACORE」との連携
本製品は,コンソール機能,ビューワ機能,ファイリング機能を集約したクリニック向け画像診断ワークステーション「C@RNACORE」との連携が可能。「C@RNACORE」との組み合せにより,読影を支援する豊富な画像アプリケーション(*9)が利用可能。読影時間の短縮化や読影精度の向上が期待できる。
<使用できるアプリケーション例>
<1> 胸部正面像から肋骨・鎖骨のパターンを認識し,骨陰影を低減することで肺野などが観察しやすくなる「胸部アドバンス処理」
<2> 診察当日に撮影した画像と,過去に撮影した画像との差分を抽出する「胸部経時差分処理」
<3> 骨粗鬆症診断基準対応のDIP法(*10)による「骨塩測定機能」など

*9 有償オプション扱い。
*10 Digital Image Processingの略。左手とアルミスロープを同時にX線撮影し,人差し指の第2中手骨の皮質骨における陰影度とアルミスロープの陰影度を比較して骨塩量を算出する測定方法。MD法(Microdensitometry)と呼ばれる骨塩定量法の一種。

(4)患者とベッド間への挿入性向上
カセッテ側面を貝殻のように角を削いだラウンド形状にすることで,病棟撮影などで患者とベッド間への挿入性を向上するなど,快適な取り回しが可能。

(5)抗菌コート技術「Hydro Ag」(*11)によるパネル全面抗菌仕様
同社の抗菌コート技術「Hydro Ag」を活用し,カセッテ全面に抗菌コートを施した。
「Hydro Ag」は,銀系抗菌剤(銀イオンを徐々に放出する機能を持ったセラミック微粒子)を分散した,水となじみやすい超親水性の樹脂を塗布する同社技術。一般的に,銀系抗菌剤を使った抗菌コートでは,抗菌剤に空気中の水分などが作用して,細菌を不活性化する銀イオンが溶出される。本技術では,塗布膜表面だけでなく,塗布膜内部の抗菌剤にも水分が作用して,塗布膜内部からも銀イオンを供給する。これにより,塗布膜表面の銀イオン濃度が高くなり,従来の抗菌コート(*12)と比べて約100倍の抗菌性能を実現(*13)した。
さらに,その効果は長期間の持続が可能。また,超親水性膜によりカセッテ表面に付着した汚れが拭き取りやすくなるので,清潔で衛生的に使用できる。

*11 平成26年7月に当社が開発した抗菌コート技術。従来の銀系抗菌剤を使った抗菌コートに比べて約100倍の抗菌性能を実現。
*12 液晶保護フィルムなどに用いられる,親水性の低いバインダーを用いた一般的な抗菌コート。
*13 抗菌性能試験(JISZ 2801)でJIS基準値「24時間での抗菌活性値“2(菌が99%減少)”」に対し当社HYDRO AG技術は「1時間で“4(99.99%減少)”」の性能結果。((一財)BOKEN 品質評価機構実施 報告書No.20214016660-1(2014.7.11)より)

 

●標準ユーザー渡し価格
FUJIFILM DR CALNEO Smart S47
1790万円(CALNEO Smart S47 推奨構成(※),税別)
※フラットパネルセンサ(DR-ID 1201SE),C@RNACORE,パワーボックス
FUJIFILM DR CALNEO Smart S77
2090万円(CALNEO Smart S77 推奨構成(※),税別)
※フラットパネルセンサ(DR-ID 1201SE),C@RNACORE,パワーボックス

●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
販売統括本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fujifilm.jp/