2016-4-12
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,多目的X線撮影システム「Innova IGS 520 ASSIST(イノーバ・アイジーエス520アシスト)」,「Innova IGS 530 ASSIST(イノーバ・アイジーエス530アシスト)」,「Innova IGS 540 ASSIST(イノーバ・アイジーエス540アシスト)」の3機種を,4月13日(水)に同時発売する。
世界に先駆けて進む高齢化に伴い,X線透視画像を見ながら血管や腫瘍などを治療するインターベンション(IVR)*1は,外科手術に比べて侵襲の少ない,患者に優しい治療法として近年拡大を見せている。また,ステント,先天性心疾患向け等のデバイスの進化から,慢性完全閉塞(CTO)や経皮的大動脈弁置換術(TAVI)等,これまで以上に複雑な診断・治療の必要性も増加している。このような背景の中,IVRをサポートするアンギオグラフィー(血管造影撮影法)システムの役割はますます大きくなっており,血管X線撮影装置に対しても精度の高い,緻密な治療を多角的にサポートする機能が求められている。
今回発売する製品は,フラットパネル型デジタルディテクタ(FPD)のサイズが異なる3機種。
製品名 | FPDサイズ | 主要疾患領域 |
Innova IGS520 ASSIST (イノーバ・アイジーエス 520アシスト) |
20cm x 20cm | 循環器(冠動脈・頸部・下肢など) |
Innova IGS530 ASSIST (イノーバ・アイジーエス 530アシスト) |
30cm x 30cm | 全身領域 |
Innova IGS540 ASSIST (イノーバ・アイジーエス 540アシスト) |
40cm x 40cm | 頭腹部 |
新Innova IGS ASSISTシリーズは,術中サポートの強化,画質の改善,被ばく量の低減を図り,高まるニーズに対応するソリューションを提供する。高齢化により増加している経皮的大動脈弁置換術(TAVI)手術などにおいてプランニングから術中の3Dガイダンスまで行う「Valve ASSIST」機能や,ステントおよびステントと血管との関係を瞬時に確認でき,正確なポジショニングをサポートする「StentVesselViz」機能など,実臨床に寄り添った豊富なアプリケーションにより,安全かつ正確な治療サポートを提供する。さらに,同社独自開発のアンギオ装置(血管造影装置)に特化したフラットパネルディテクタは最高レベルのDQE*2を誇り,それに伴い,人工知能を駆使した撮影条件設定,画像処理のプロセスすべてを改善し,同線量において従来装置比*3で約85%の画質改善を実現した。また,ベッドサイドでの簡単かつリアルタイムで被ばく量コントロールをサポートする機能も充実し,線量の最適化と高画質画像を同時に実現する。
GEヘルスケア・ジャパンは,「Innova IGS 520 ASSIST」,「Innova IGS 530 ASSIST」,「Innova IGS 540 ASSIST」の3機種の投入により,今後も「検者にも患者にもやさしい」医療の実現に貢献することを目指していく。
なお,2016年4月15日(金)~17日(日)にパシフィコ横浜で開催される「2016国際医用画像総合展(ITEM2016)」の同社ブースにて,実際の撮影画像やソリューションの事例などを展示する。
*1:インターベンション(IVR)とはX線の透過像をリアルタイムに見ながら,血管内からカテーテルなどを用いて病巣にアプローチする治療法。血管内に挿入したカテーテルを操作して,動脈硬化などで狭くなった血管を広げたり(血管形成),コイルを詰めて血管が破れる恐れのある動脈瘤に血液が流れ込まないようにしたり,がん組織に栄養を与える血管の血液を遮断する(血管塞栓術)といった治療が代表例。
*2:DQE:Detective Quantum Efficiency。量子検出効率と言われ,X線情報を検出器がどの程度無駄なく画像情報形成に役立てるかを表す尺度。同社比
*3:前シリーズとHigh Fluoro Contrast ありでのInnova IGS ASSISTシリーズにての比較結果。Innova IGS 530 ASSISTにて,多様な厚さのアクリルファントムを用い,あらゆる撮影条件のもとNEMAの方法を元に(Ref1)バックグラウンドのノイズレベルを考慮の上,コントラスト比を計算
IQの改善は,撮影条件,患者さまのサイズ,モーションや解剖学的領域,臨床経験等に影響される。
A new tool for benchmarking cardiovascular fluoroscopes; S. Balter, Radiation Protection Dosimetry, Vol. 94, No. 1–2 pp. 161–166(2001)
20cm,30cmのSPシリーズで適用される。
●製品特長および主要アプリケーション
・アンギオ装置用に特化した同社開発フラットパネルディテクタ採用。画像を作り出すプロセスを一新
同社開発のフラットパネルディテクタで最高レベルのDQEを採用。撮影83%および透視80%(30cmFPDにおいて)を実現し,それに合わせ,撮影条件設定,画像処理等人工知能を駆使し最適化を実現。同線量において従来装置比で約85%の画質改善に成功。より長い時間が必要となる完全閉塞の血管に対する治療時も被ばく低減を可能とする。
・インターベンション治療をサポートする「StentViz & StentVesselViz」(オプション)
従来の処理では成し得なかったステントストラットの高鮮鋭な描出が可能になり,より的確なステント留置術を瞬時にサポート。「StentVisselViz」では,ステントの視認性だけでなく血管との関係を確認することも可能。
・「Valve ASSIST」でより安全かつ正確な経皮的大動脈弁置換術を可能に
経皮的大動脈弁置換術(TAVI)等において,より安全かつ正確な治療をサポートできるようプランニングソフトウェアおよび3Dガイダンス機能のパッケージを搭載。
計測,分析においてよりシンプルな使いやすさを追究し,手技中には,石灰化を明瞭に描出できるCalcification enhancement modeを搭載した。
さらなる低被ばくをサポートする 「Innova Sense」と「Dosemap」
・手技時間,被ばくの低減を可能とする「Innova Sense」(オプション)
静電容量センサーを採用した,GE独自の非接触型センサー。システムが被写体の位置を認識し,被写体と検出器間の距離を最適に自動調整。常に被写体との距離を最少に留めることができ,最適なポジションへの変更を最低限の時間でできるため,被ばく低減に大きく寄与する。
・手技中のHot Spotを可視化。照射野をリアルタイム表示し,被ばくの喚起を促す「Dosemap」
インターベンション中の患者背面位置における想定線量マップをグラフィック表示。また,施設ごとに線量閾値を3段階まで設定でき,線量が閾値に達するとリファレンスモニタに自動ポップアップ表示され,術中の被ばくに関して術者に自然な形で注意喚起することができる。更に,Dosemap画面上に照射野をリアルタイム表示できるため,透視を用いなくともHot Spotから照射位置を回避させることができる。状況に応じ,今回最適化された撮影条件等の線量設定の変更をベッドサイドで即座に変更可能。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)コミュニケーション本部
ブランチャード/松井
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp