2016-2-18
富士通エフ・アイ・ピー(株)は,医療法人社団ひかり会木村眼科内科病院に対し,クラウド型電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE Cloud Chart(ホープクラウドチャート)」(以下:HOPE Cloud Chart)を提供し,2015年10月から運用している。
「HOPE Cloud Chart」の高信頼なクラウド基盤により,木村眼科内科病院は初期投資を抑えながら,システムの運用負荷を軽減し,システムの信頼性と業務継続性を向上させた。また,高機能なシステムにより,関連システムと円滑に連携し,診療業務の効率化と院内の情報共有を強化している。
●導入の経緯
木村眼科内科病院は,1912(明治45)年5月に木村眼科院として呉市に開院以来,100年以上にわたり,最新の技術を用いた眼科医療を地域に提供してきた。近年ではその医療を求め,呉市内はもとより,広島県内・県外からも多くの患者が来院している。そのような中,より高度な医療を提供し続けるため,アクセスがよく最新の設備を導入した新病院への移転とともに,従来紙で運用していたカルテの電子化についても検討を進めていた。
移転と同時期のシステム導入となるため,高機能なシステムでありながら,初期投資とシステムの運用負荷を軽減する必要があった。これに対し木村眼科内科病院は,富士通エフ・アイ・ピーが提案したクラウド型電子カルテシステム「HOPE Cloud Chart」の導入を決定し,2015年10月の新病院移転とともに運用を開始した。
●導入の効果
1.クラウド型システムにより,システム導入の初期投資・運用負荷を軽減
クラウド型システムのため,電子カルテシステムと医事会計システムのサーバを購入する必要がなく,初期投資やサーバの維持費を抑制できる。さらに,システムの保守・管理作業はデータセンターの専門スタッフが行うため,それらの作業負荷から解放される。限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ)を新病院への移転やその後の運営に最大限投入するとともに,システムの刷新を実現した。
2.診療情報のデータセンター保管により,システムの信頼性と事業継続性を向上
診療情報は(株)アイ・エス・レーティングによる情報セキュリティ格付け(注1)において,最高評価の「AAAis(トリプルA)」を取得した富士通グループのデータセンターに保管されている。そのデータセンターと病院は,サービス専用の高度なセキュリティ網で通信を暗号化。最先端のセキュリティにより,システムの信頼性を高めるとともに,堅牢な設備により万一の災害時にも大切な診療情報を保全できるよう事業継続性を向上させた。
3.高機能なシステムにより,業務運用の効率化と情報共有の強化を実現
高いシェアを誇る富士通の電子カルテ・医事会計システムのノウハウを結集した高機能なシステムにより,カルテの所在管理や移動,文字の読解など紙カルテ特有の煩雑さを解消した。また,眼科専用のカルテ記載システムや画像ファイリングシステム,診察順番表示システムなどとの円滑な連携により,検査の待ち時間短縮や画像を活用したわかりやすい診察など医療の質も向上している。診療業務を効率化するとともに,患者と病院,病棟と外来,医師同士などの情報共有を強化した。
●今後の展開
今後,木村眼科内科病院は,電子カルテシステムが持つ情報の集積・検索・参照・分析のしやすさなどの特性を生かし,臨床研究分野への活用を進めていく。また,システムの習熟度も一層高めていくことで,地域に寄り添いながら,高度な医療を提供し続けていく。
これに対し富士通エフ・アイ・ピーは,木村眼科内科病院のパートナーとして,同院が提供する高度な医療を,これまで培ったICTの提案力・技術力・サポート力を結集し支援し続けていく。
(注1):情報セキュリティ格付け
企業や組織が取り扱う技術情報,営業機密,個人情報について,主として漏えい事故などが起きないかどうか,そのセキュリティのレベルを示す指標。マネジメントの成熟度,脅威に対する対策の強度,コンプライアンスへの取り組みなどの視点から総合的に評価し,AAAis からAA+is,AAis,AA-is,A+is,Ais,A-is,BBBis…B-is,Cis まで17 段階の符号で表す。
●問い合わせ先
富士通エフ・アイ・ピー(株)
http://www.fujitsu.com/jp/fip/