2015-11-26
東芝メディカルシステムズ(株)は,東芝1.5テスラMRIシステム「Vantage Elan™ / eS Edition(バンテージ エラン イーエス エディション)」(eS: Exquisite Solution)のグローバル販売を11月26日より順次開始する。
1.5テスラMRIシステムVantage Elanは2013年11月に国内販売を開始し,「Next Generation」をコンセプトに,従来1.5テスラMRI装置では困難とされていた高画質とコンパクトの両立を可能とした。eS Editionでは省エネルギー,省スペース設置等のコンパクト性能はそのままに,より高い臨床現場のニーズに応えるために,多チャンネルフェーズドアレイコイルに最適化した専用のハードウェアを開発。またソフトウェアは「M-PowerTM V3.1」を搭載し,質の高い高効率な検査環境を実現する。
なお,本新製品は,11月29日から米国シカゴで開催される世界最大の放射線関連学会RSNA(北米放射線学会)2015の併設展示会で展示を予定している。
●新製品の主な特長
1.ハードウェアによるさらなる高画質の追及
新製品では多チャンネルフェーズドアレイコイルに最適化した専用のハードウェアを開発。これにより最上位機種であるVantage Titan™ で好評な多チャンネルフェーズドアレイコイル「16ch フレキシブルSPEEDER」の性能を最大限に引き出す。このRFコイルでは,受信したMR信号をコイル内部で増幅することでノイズの影響を極限まで低減できるため,高画質な画像を実現する。
更に,各部位の撮像に最適化した部位別専用パッドを付属。患者さんの体型に合わせて最適なセッティングができるため,患者さんの体型差で画質に差がでる専用コイルと異なり,コイルが幹部に密着することで,体型を選ばず安定した高画質を得ることができる。
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2.新アプリケーションソフトウェア「M-power V3.1」
アプリケーションソフトウェア「M-power V3.1」では,金属アーチファクトの低減技術「VAT」,2種類のTIにより白質と灰白質のコントラストを向上させる「DIR」,下肢非造影MRA「FBI」の最新撮像アシスト機能「DelayTracker™」など,臨床現場で特に要求の高かった機能を搭載した。また,シーケンス条件編集の自由度の向上,フレキシブルなパラメータ設定を可能とし,装置性能をより引き出すことが可能となる。
また,ハードウェア静音技術Pianissimo™ Σ(ピアニッシモ シグマ)と併用可能な静音シーケンス「QuietScan」を搭載,ハードウェア,ソフトウェア両面からの静音化により,拡散強調画像の撮像など,特に音の大きな検査も含め,すべての検査で高い次元の静音化を実現している。東芝は最新の撮像アプリケーションが開発される度に増大する騒音問題,特に超高速撮像時における騒音など,あらゆる検査に対応できる静音化技術で患者さんにやさしい静かなMRI検査を提供する。
3.セキュリティ強化による安心な検査環境
新製品では,Windows® 7とホワイトリスト形式のウイルス対策ソフトウェアを搭載。(注1)登録されたソフトウェア以外は動作をしない仕組みにより,ソフト更新の必要なく,新しい悪意のあるソフトウェアなどによる攻撃からシステムを守り,システムダウンや,ネットワークを介した感染拡大,大切な患者情報の流出を防ぐ。
本装置は,米国国防総省のネットワークセキュリティガイドラインに適合した世界初のMRIシステムとして,米国空軍よりAuthorization To Operate(ATO:セキュリティ認定)を受けている。(注2)
(注1):一般家庭やオフィスで主に用いられているブラックリスト方式は,ウイルスの検出と駆除のためのデータベースが必要で,このデータベース更新とスキャン作業が要求される。これらの作業時に負荷が発生しシステム動作性能への影響が懸念される。また,更新を怠ると,最新の脆弱性問題に対応することができない。一方で同社が採用したホワイトリスト方式は,「MRIの動作に必要なプログラムのみを動作させる」よう制御されている。従って,前述のデータ更新は不要で,常に安定したMRIシステムの動作が可能である。
(注2):「高度セキュリティ設定」をONにする必要がある。
●問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
http://www.toshiba-medical.co.jp