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クック メディカル,日本初の大動脈解離用血管内治療デバイス「COOK Zenith大動脈解離用エンドバスキュラーシステム」保険収載,本格販売を開始

2015-10-21

COOK Zenith大動脈解離用エンドバスキュラーシステム

COOK Zenith大動脈解離用エンドバスキュラーシステム

米国クック メディカル(日本法人: Cook Japan(株)[以下,クック ジャパン])は,2014年11月7日付で製造販売承認を取得した販売名「COOK Zenith大動脈解離用エンドバスキュラーシステム」の販売を2015年10月1日より全国展開したことを発表した。また,本システムは大動脈解離治療目的の新たな機能区分として2015年7月1日付で保険収載されている(厚生労働省告示第310号 別表II区分146(5)大動脈解離用ステントグラフト(メイン部分),(6)大動脈解離用ステントグラフト(補助部分),(7)大動脈解離用ステントグラフト(ベアステント))。COOK Zenith大動脈解離用エンドバスキュラーシステムは,日本で初めて承認され,新たに保険適用された大動脈解離に対する血管内治療用デバイスであり,現在,日本で承認済の製品において,大動脈解離治療専用の血管内治療用デバイスとして設計された唯一のシステム1。本システムは,合併症を有する急性期 B型大動脈解離のうち,内科的治療が奏効しない患者様の血管内治療に用いられれる。
大動脈は,外膜・中膜・内膜の3層構造となっている。なんらかの原因で内側にある内膜に裂け目ができ,その外側の中膜の中に血液が入り込んで長軸方向に大動脈が裂けることを大動脈解離という。中膜に流れ込んだ血液は,新たな血液の流れ道(解離腔または偽腔)をつくり,それによって血管が膨らんだ状態となりますが,外側には外膜一枚しかないため,破裂の危険性を伴う2

大動脈解離のうち,上行大動脈に解離がないものをStanford B型大動脈解離といい,発症より2週間以内のものは急性期に分類される3。急性B型大動脈解離の治療においては,合併症のない例では内科療法を選択し,合併症のある症例では外科手術を考慮するのが一般的な選択となっていた。しかしながら,急性期の外科治療の院内死亡率も32.1%と低くないため,外科治療に代わる治療が望まれていた4

COOK Zenith大動脈解離用エンドバスキュラーシステムは,急性期Stanford B型大動脈解離の新たな治療の選択肢となる血管内治療用デバイスで,それぞれのデリバリーシステムに搭載されたステントグラフトとベアステントから構成されるモジュラーシステム。ステントグラフトは,主要なエントリー亀裂あるいは二次的なエントリー亀裂を閉鎖して偽腔の血栓化を促す。ベアステントは,大動脈の剥離したセグメントを補強し,機能低下している内臓動脈(血流不全となっている内臓へつながる動脈)の血流を改善する。外科的治療法では,胸腔部を切開し大動脈解離部分を人工血管に置換する。この治療法に比べ,血管内治療法はデバイスを挿入する大腿動脈の切開部分がわずかであり,侵襲性が低いと考えられている。

1 2015年10月21日現在
2「血管の病気を知ろう!予防にいかそう!血管の病気について」,日本血管外科学会(http://www.jsvs.org/common/kairi/index.html ),<2015年10月21日現在>
3 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011年改訂版). 2010年度合同研究会報告, 2011: 7頁
4 同上: 28頁

森之宮病院心臓血管外科部長・加藤雅明氏は,次のように述べている。「この度,急性期B型大動脈解離に対する血管内治療デバイスが承認,保険適用されたことで,この治療法が速やかに患者さんの治療に普及することを期待しています。」

クック メディカル 副社長兼AI事業部国際事業部長のニッキー・ジェームズ氏は次のように述べている。「クックは日本で初めて承認された腹部大動脈瘤治療用ステントグラフトや,胸部大動脈瘤治療用ステントグラフトのご紹介を通じて,ステントグラフト治療の普及に貢献してまいりました。この度,大動脈解離に対する血管内治療用デバイスの承認を日本で初めて取得し,大動脈疾患の治療法にまたひとつ,新たな選択肢を加えられたことを大変光栄に思います。当製品は,欧州をはじめとする各国での発売に続き,米国に先駆けての承認・販売となります。これは日本のデバイスラグの解消にも貢献するものです。当製品の普及に向けて引き続き尽力して参ります」

<ステントグラフト>:
「COOK Zenith TX2 TAA エンドバスキュラーグラフトPro-Form」および「Z-Trak Plus イントロダクションシステム」ステントグラフトは,ウーブンポリエステル素材のグラフトにステンレス製Zステントが縫い付けられている。デリバリーシステムにはトリガーワイヤーリリース機能が搭載されているため,正確な留置が可能。

<ベアステント>:
「COOK Zenith Dissection エンドバスキュラーステント」および「H&L-B One-Shot イントロダクションシステム」ベアステントは,モノフィラメント縫合糸により縫い合わされたステンレス製Zステント。デリバリーシステムにはトリガーワイヤーリリース機能が搭載されているため,正確な留置が可能。

 

●問い合わせ先
Cook Japan(クック ジャパン)(株)
マーケティング部
TEL 03-6853-9637/FAX 03-6688-9900
http://www.cookmedical.co.jp/