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2015-10-19

「クリプラ」受付画面
クリニックを訪れている患者さんのステイタスを
一覧で表示。（表示はすべて仮名）

医療機関向けの100%クラウド型診療プラットフォームを展開するクリニカル・プラットフォーム（株）は，ブラウザだけで使用できる診療所向けクラウド型電子カルテ「クリプラ」を10月19日より提供開始することを発表した。

高齢化の進行とともに医療機関を受診する人は一般的に増加するが，医療を提供する医療従事者の高齢化についてはあまり語られていないのが現状である。患者数が増加する中で，多くの医療従事者が高齢化のために第一線を退くと，残された医療機関の負担がさらに高まることになり，医療機関に勤める医師やスタッフの業務負担を軽減させる仕組みづくりは喫緊の課題となっている。

現在の医療機関においては，紙カルテからレセプトコンピューターへの転記，問診票から電子カルテへの転記など，多くの無駄な作業が発生しており，医療者がそれらの業務に時間を取られている。そのような状態を引き起こしている要因の一つが，紙による業務が残されていることにある。しかし，ICT 化で業務効率化を図ろうとしても，一式数百万円もする高額なシステムを購入しなければならない上に，そのシステムを管理，メンテナンスするという新たな業務が発生してしまう。

クリニカル・プラットフォームは診療所運営に必要なあらゆるサービスをクラウド上に構築し，ユーザーである医療機関が本来業務である医療行為に専念できる環境を整備する。第一弾として，ブラウザだけで使用できる 100%クラウド型電子カルテ「クリプラ」をリリースした。
クラウド型サービスの特徴の一つは，継続的に新しい機能が追加されることにある。今回リリースした「クリプラ」をさらに便利に利用する新しい機能を，今後継続的に追加する予定。

「クリプラ」処方オーダー画面
よく使う薬剤はショートカット登録をすることによってワンクリック処方が可能。
ショートカット登録は「クリプラ」が無料で行う。

1．「クリプラ」の概要

「クリプラ」はブラウザに ID とパスワードを入力するだけで使用できる電子カルテ。最短で，登録したその日から利用できる。高額なサーバーを購入する必要はなく，マスターデータの更新や定期的なバックアップも同社で実施する。インターネットに接続できる環境さえあればどこでも使用できるため，訪問診療先でもカルテの閲覧と記録が可能になる。また，保険診療を行う診療所にとっては必須のシステムとも言えるレセプトソフトは，日本医師会の提供する「ORCA」と連携。ORCAの使用に際してはいくつかの条件があるため，ORCAとの連携を希望する場合は同社まで問い合わせが必要。

2．使用開始までの流れ

・同社ホームページから申込。
https://clinical-platform.com/entry

・医療機関であることを確認した後（開業前の場合は医師であることの確認），管理者用のIDとパスワードを発行する。
・そのまますぐに利用することもできるが，よく使う薬剤や病名等のショートカットを設定することも可能。設定は同社が無料で行う。
・導入月を含む最初の2ヶ月間は無料で利用できる。3ヶ月目以降も継続して利用する場合は，クレジットカード情報の登録が必要となる。

3．価格（予定）

初期導入費用：0 円
月額利用料：9,800 円+消費税 （登録月を含む最初の2ヶ月間は無料）（1年分前払いの場合は 98,000円+消費税）
登録以降に新しい機能が追加されても原則として追加料金は発生しない。

4．推奨環境

OS：Google Chrome最新版が作動する Windows，Mac，Linux 搭載のパソコンのほか，Android，iOS搭載の端末
ブラウザ：Google Chrome 最新版
ディスプレイ解像度：1920×1080以上

^{注）Android / iOSについては一部端末のみサポート。 Android / iOSでの利用は，サポート対象の端末か確認が必要なため，使用を想定している端末についての情報を要連絡。}

5．セキュリティ

・二重の暗号化
金融機関のインターネットバンキングと同レベル（256bit）の SSL証明書によって通信データを暗号化している。サーバーに保存されているデータも暗号化されているので，万が一データが盗まれても読み取られる心配はない。
・バックアップ
クラウド上のデータは，日本国内の異なる地域のサーバーに二重にバックアップされている。万が一，災害等でサーバーに障害が発生しても大切なデータはすべて守られる。
・不正アクセス対策
海外からのアクセスが検知された場合，顧客の管理者あてにメールで通知をするサービスを提供。第三者機関によるセキュリティーチェックも実施済み。

6．サポート

「クリプラ」の使用方法について
電話，オンライン（チャット・メール）によるサポートを提供。訪問によるサポートは別途費用が発生する場合がある。
・レセプトコールセンター（予定）
ORCAを導入した顧客に対しては，レセプトに関するサポートを提供する。詳細は，ORCA導入と合わせて要相談。

7．活用例

・外来診療と訪問診療を提供している診療所での利用
紙のカルテを訪問先に持ち出す場合，重たいカルテを運ぶ手間と紛失時の個人情報漏洩のリスクという課題が発生する。「クリプラ」を使えば，クラウド上の安全なサーバーに保存されている患者データに院内外からアクセスできる環境を即時に構築できる。
・地域医療連携の共通システムとして採用
複数の診療所や病院が診療情報を共有する取り組みをしている自治体や医師会がある。情報の共有化には電子カルテの導入が前提となるが，導入費用の負担が大きな課題となる。「クリプラ」であればわずかな費用負担で地域医療連携システムを構築できる。