2015-6-23
ファイルメーカー(株)は6月23日,医療分野におけるFileMakerプラットフォームとiPadの導入事例を発表した。大阪府泉南市の泉南新家クリニック透析センターは,透析業務支援システム「dottoHD」を,FileMakerプラットフォームを用いて独自に構築し,iPadで活用している。透析業務ではさまざまな情報の正確な管理・記録が求められるためスタッフは事務作業に多くの時間を取られる。同クリニックでは,透析業務を支援するツールをシステム化したことで,情報の一元管理とデータ活用,人為ミスの防止による安全性の確保,事務作業時間の短縮による患者ケアの充実など,多くの導入効果を上げている。
●この事例についての詳細とビデオは下記参照。
www.filemaker.com/jp/solutions/customers/stories/sennan
●ソリューション概要
透析業務の種類は多岐にわたり,記録・管理すべき情報も多いため,携わるスタッフが担当する事務作業も煩雑になりがちで多くの時間が費やされるのが課題であった。泉南新家クリニックでは,透析医療の現場を熟知した臨床工学技士である情報管理主任が自らFileMakerプラットフォームを用いて透析業務支援システム「dottoHD」を開発。高いITリテラシーがなくても楽に使えるユーザーフレンドリーなインターフェースを簡単に作成できるFileMakerを採用したことで,現場での稼働もスムーズに進み,業務効率化を実現した。
dottoHDで一元管理される情報:氏名や年齢,住所などの患者基本情報,感染症や病歴情報,透析スケジュール,目標体重や血流量,抗凝固剤などの透析条件,動脈と静脈をつなぎ合わせた血液の出し入れ口であるバスキュラーアクセス(VA)管理,看護計画,履歴情報,血液検査結果など。
●導入効果
- システム化により,帳票作成・管理など事務作業を削減し,業務効率化と転記ミス等の防止で安全性確保を実現。
- 業務効率化が実現し,患者に接する時間が増え,コミュニケーションの活性化,病態観察,フットケアなど患者ケアがより充実。
- iPadの利用でフットケア管理などベッドサイドでの業務も効率化。
- 検査データを取り込み,至適透析の条件評価や統計分析など,医療の質向上に役立つデータ活用。
同クリニックの透析部長として透析業務支援システムの導入を指揮した高木堅二氏は,導入効果について次のように述べている。「この透析業務支援システムは,スタッフを煩雑な事務作業から開放して業務効率化を実現するとともに,より安全な透析を支援します。データが一元管理されたことで統計情報の抽出が容易になり,分析結果をグラフ表示して視覚的に把握することもできます。管理状態が悪い患者様に対して食事指導や投薬の調整など早期に介入するために役立てています。」
透析業務支援システム「dottoHD」は,情報管理主任の田代庸平氏が中心となって開発された。臨床工学技士として透析医療の現場にも立つ田代氏は,開発者としてFileMakerプラットフォームを次のように評価している。「FileMaker Goアプリの登場により,iPadとFileMakerの親和性が飛躍的に高くなったことに早くから注目していました。dottoHDではiPadを使ってベッドサイドでデータの参照や入力ができます。また,現場の声を即座にシステムに反映し,ツールを拡張したり,改善したりできることはユーザーメードシステムの大きな利点。FileMakerだからこそ,実現可能なことです。」
●問い合わせ先
ファイルメーカー(株)
www.filemaker.com/jp
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