2015-4-13
AMULET Innovality
富士フイルムメディカル(株)は,乳がん検査用デジタルX線診断装置「AMULET Innovality(アミュレット イノバリティー)」で,トモシンセシス画像を使って生体組織診断(以下,バイオプシー)のためのターゲティングを行うことができる専用オプションソフト「トモシンセシスバイオプシーソフト」を平成27年6月15日より発売する。なお,同社は,4月17日から19日までパシフィコ横浜にて開催される「2015 国際医用画像総合展(ITEM2015)」に本製品を出展する。
乳がん検査では,病変部の組織を採取して診断するバイオプシーを行うことがある。この際,従来のステレオ撮影画像を用いたターゲティングでは,乳房を異なる角度(±15度)から撮影した2枚の画像上で,同じ所見をそれぞれ正確に指定して三次元座標を算出し,位置を特定していた。しかし,このターゲティング方法では,撮影角度の違いにより2枚の画像上で所見の見え方がそれぞれ異なる場合や,石灰化が局所的に集まって画像上に表示される場合など,バイオプシーの対象となる位置を正確に指定することが難しく,検査に長時間を要することがあった。
今回発売する,富士フイルムの乳がん検査用デジタルX線診断装置「AMULET Innovality」用オプションソフト「トモシンセシスバイオプシーソフト」では,トモシンセシス画像上の所見を1箇所指定すれば,三次元座標が算出され,位置が特定される。ステレオ撮影画像を用いたターゲティングと比較して,より簡単にバイオプシーのターゲティングができることで,検査時間の短縮が期待できる。これにより,患者がX線診断装置の圧迫板に乳房を挟まれた状態で待機する時間も短くなるため,患者の身体的負担軽減に寄与する。
また,複数枚の乳房の断層画像を生成するトモシンセシス撮影は,乳腺と腫瘤の重なりなど通常のマンモグラフィ撮影では見つけにくかった病変の観察に適している。トモシンセシス画像を使ってターゲティングができる本ソフトウェアを搭載することで,トモシンセシス画像にしか表示されていない病変部であっても,ターゲティングを行うことができる。
・乳がん検査用デジタルX線診断装置「AMULET Innovality」について
AMULET Innovalityは,独自開発の直接変換型FPDを搭載することで,低線量で高画質画像の撮影を実現し,また,複数の断層像で乳房内部の構造を観察できるトモシンセシス機能(別売オプション)にも対応した,乳がん検査用デジタルX線撮影装置。
●主な特長
(1)簡単な操作で病変のターゲティングが可能
トモシンセシス撮影で得られた画像上でのターゲティングは,病変部分を1箇所指定すれば,三次元座標が算出できる。2箇所を指定しなければならない,従来のステレオ撮影画像でのターゲティングと比べて,操作が簡単。
(2)通常のマンモグラフィ撮影では見つけにくかった病変についてもバイオプシーが可能
複数の断層画像を生成できるトモシンセシス撮影では,乳腺と腫瘤が重なっているなど通常のマンモグラフィ撮影では見つけにくかった病変の観察を行うことができる。本ソフトウェアを搭載すれば,病変が局所的に集まっている場合であっても,円滑なバイオプシーが可能となる。
●標準ユーザー渡し価格
300万円(ソフトウェア,オプションキーソフト・税別)
●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/