2015-2-3
富士フイルムグループの富士ゼロックス(株)と(株)ユニオンシンクは,厚生労働省や米国食品医薬品局が定める,医薬品・化粧品および医療機器の品質,有効性および安全性のための規制注1に対応した両社のシステムを連携し,これらの規制で要求されている是正・予防措置(CAPA)注2 対応記録文書管理システムとして,2月3日から全国で提供を開始する。
医薬品,医療機器,化粧品業界では,事業者が医薬品や医療機器を市場に出した後に苦情やあらかじめ定めた手順・規格・条件からの逸脱,有害事象,その他のインシデントがあった場合,定められた手順に従ってCAPAを行い,その実施結果を,文書に記録することが定められている。それらの記録文書はこれまで紙で原本管理されてきたが,政府は業務の効率化を図る目的で電子化を推進している。また,電子化のためには,厚生労働省が定める電磁的記録および電子署名を利用する際の必要な要件を定めたER/ES指針注3 に準拠する必要がある。
本システムは,医薬品や医療機器に関連するER/ES指針などの法規制に準拠した,富士ゼロックスの文書管理ソフトウェア「Apeos PEMaster Evidence Manager 2.3」と,ユニオンシンクのCAPA業務ワークフローシステム「業務デザイナーfor GxP」を連携させたもの。「業務デザイナーfor GxP」により,CAPA業務のワークフローを確実かつ効率的に回すことを可能とし,そのプロセスで生じた記録文書の電子原本を,システム連携機能により自動的に「Apeos PEMaster Evidence Manager 2.3」へ登録,堅牢かつ効率的に記録管理をすることができる。
一方,このようなシステムを導入する企業は,システムが正しく開発・導入され,運用されることを保証する,コンピュータ化システムバリデーション(CSV)注4 を行う必要がある。また,異なるプロバイダーのソフトウェアを連携する場合,連携部分を個別開発することが多く,より厳格なCSVの基準が適用されるため,システム導入時の検証作業が高負荷となり,立ち上げ期間が長期化する。
両社が提供する本CAPA対応記録文書管理システムは,ソフトウェア間の連携機能を「業務デザイナーfor GxP」にパッケージ化したことで,システム構築とCSVの負荷を軽減したソリューションである。
これまで大手ソリューションプロバイダーから提供されていた同様のシステムとそれに伴うCSVには,大規模な投資が必要であったが,富士ゼロックスおよびユニオンシンクは,中堅の製薬会社,医療機器メーカー,化粧品メーカー向けに,初期導入コストを抑え,システム構築およびCSVのソリューションを,2,000万円程度から提供し,品質管理の統制強化と業務効率化に貢献する。
なお,本システムは,2月4日から6日までインテックス大阪で開催される,第1回インターフェックス大阪に出展される予定。
フェアURL:http://www.interphex-osaka.jp/
注1: 厚生労働省が定める「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」,米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)が定める「連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug and Cosmetic Act)」および連邦法規集21章(21 CFR(Code of Federal Register))に規定されている。
注2: CAPA: Corrective Action & Preventive Action。是正措置(Corrective Action)は,不適合の再発を防止するための不適合の原因を除去する措置,予防措置(Preventive Action)は,起こり得る不適合の発生を防止するためにその原因を除去する措置のこと。CAPAは,医薬・医療機器・化粧品に関する品質管理監督の基準では特に重視される項目だが,その一方で当局による査察で不備を指摘されることが多い項目でもある。
注3: ER(E-record)/ES(E-Signature)指針とは,医薬品等の承認・許可や適合性認証機関の登録などを,電磁的記録及び電子署名を利用した書類で行う際に必要とされる要件を定めたもの。米国に輸出する企業は電子記録および電子署名に関する米国規制である21 CFR Part11に準拠する必要がある。
注4: コンピュータ化システムバリデーション(CSV)とは,医薬品や医療機器などの開発から製造において使用されるコンピュータ化システムが,正しく開発され導入され運用されることを確実に確認して証拠を残しておくことで,薬や医療機器の品質および品質保証に問題が無いことを保証すること。
●標準価格
参考価格:ソフトウェアおよび支援サービスを含め,2,000万円~
※提供価格は,システム構成やサービス内容によって異なる
●問い合わせ先
富士ゼロックスお客様相談センター
TEL 0120-27-4100
http://www.fujixerox.co.jp/