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NEC,低圧迫・高精度な測定を可能にする「低負荷血圧測定技術」を開発~在宅時に,医療用と同等の精度で無理なく一日を通した血圧測定を実現~

2014-10-15

NECは,低加圧(圧迫,注1)で医療用血圧計と同等な高精度の血圧測定を実現する,「低負荷血圧測定技術」を開発した。

本技術は,脈の波形を解析し,血流変化を推定することで,従来の測定で必須だった最高血圧以上での腕の圧迫が不要となり,圧迫を低減しても高精度な血圧測定を可能とするもの。
また,血圧測定時に腕を締め付ける腕帯(以下 カフ,注2)を小型化するとともに,従来は別々だったポンプ・電源などの装置を全てカフに内蔵し一体化する技術も開発した。 これらの技術により,血圧測定時の圧迫や血圧計装着の手間を軽減することで,日常生活下や就寝中など一日を通した血圧データの取得を可能にする,低負荷で無理のない24時間血圧測定の実現に貢献する。(注3)

NECは社会ソリューション事業に注力する中,この一環としてヘルスケア領域を強化しており,本取り組みはその1つになる。今後,本技術をはじめとしたバイタルサイン(注4)の高度なモニタリング技術により取得可能となる様々なデータを活用することで,超高齢化社会における質の高い適切な医療の実現をICTでサポートしていく。

●背景

昨今,高齢化に伴う医療費の高騰を背景に,軽症段階で疾病の管理を行い,重篤化を予防する重要性が高まっている。特に生活習慣病の一つである高血圧症は,国内に約4000万人もの潜在患者が存在し,定期通院患者数が906万人(注5)と最大規模の疾病であり,放置すると心疾患や脳神経疾患など深刻な疾病の要因となるため,軽症段階での管理が重要となる。
また,血圧データは,要介護の最大原因である脳血管障害(脳梗塞,くも膜下出血など)や生活習慣病などの管理・予防において,重要な指標として活用されている(注6)。血圧は早朝・日中・就寝中など,一日の中で変動が大きく,さらに,白衣性高血圧や職場高血圧(注7)などが起こりうることから,日常生活を送りながら継続的に血圧を測定できることが求められる。しかし,従来技術のような強く腕を圧迫する測定方法では日常生活や就寝の妨げになることや,機器の装着に手間がかかることから,測定時における圧迫の低減や機器の小型化が求められている。
今回,NECは,横浜市立大学医学部 杤久保特任教授と共同で,低圧迫で高精度に血圧を測定できる「低負荷血圧測定技術」を新たに開発した。

●本技術の特長

従来技術では,血管に強い圧迫を加えて血流をほぼ停止させた後に,血液が血管を押し戻す力の変化(血流変化)を計測し,最高血圧の測定を行っていた。今回,血流を停止させない程度の弱い血管圧迫で得られた血流変化の情報(脈が変化した際の波形情報)から,最高血圧となる100%圧迫時の血流変化を推定する独自のアルゴリズムを開発した。
本技術により,最高血圧を高精度に推定することで,低圧迫化(血圧計を一日中,身に付けられる程度の負荷)を実現する。

また,低圧迫での血圧測定を可能としたことで,従来よりも小さいポンプ・電源を用いての測定を実現。これにより,従来は別々だったポンプ・電源などの装置を全て内蔵し一体化することで,機器の小型・軽量化を可能にする。

なお,NECは今回の成果を,10月17日(金)から19日(日)まで,パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて開催される「第37回日本高血圧学会総会」(注8),ET2014展(注9)および,NECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2014」(会期:11/20(木)~21(金),会場:東京国際フォーラム(東京都千代田区))にて,展示する。

「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2014」について
http://jpn.nec.com/uf-iexpo/index.html

 

(注1) 従来法(オシロメトリック法)による血圧算出法との比較。最低血圧以上,最高血圧未満の圧迫で血圧を高精度に算出。
(注2) 血管を圧迫するために用いる腕帯
(注3) 現状の医療用高頻度血圧測定装置は,データロガー・カフ・チューブが分離した構造となっているが,これらを一体化し装着負荷を低減。
(注4) 血圧,体温,脈拍等
(注5) 厚生労働省資料より
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-068.html
(注6) 日本高血圧学会ガイドラインより
http://www.jpnsh.jp/general_panf.html
(注7) 白衣性高血圧:医師や看護師など白衣を着ているヒトの前でだけ,つまり病院や診療所で血圧を測るときだけ高血圧を示すこと。
職場高血圧:診察室内での血圧は正常であっても診察室外で高血圧を示すこと。
(注8) 「第37回日本高血圧学会総会」2014年10月17~19日 パシフィコ横浜
http://www.congre.co.jp/37jsh/
(注9) ET2014展(Embedded Technology 2014/EDSFair2014Nov.)
(TOHOKUパビリオン・NECエンベデッドプロダクツブース」)
2014年11月19日~21日 パシフィコ横浜
http://www.jasa.or.jp/et/

 

●問い合わせ先
NEC 研究企画本部 プロモーショングループ
https://contact.nec.com/http-jpn.nec.com_tb_142rd_4b126d/?fid=4b126d