2014-8-28
Discovery IQ
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,8月29日(金),PET(陽電子放射線断層撮影装置)とCT(コンピューター断層撮影装置)を一体化したPET/CT 「Discovery(ディスカバリー)」シリーズの最新機種である「Discovery IQ(ディスカバリー・アイキュー)」を発売する。
今回販売する「Discovery IQ」には,新たなPET検出器“LightBurstDetector”(ライト・バースト・ディテクター)を搭載。検出器幅が体軸方向に最大26cmとなる拡張性を持たせ,今までにない圧倒的な高感度を実現し,かつ,従来の画像再構成法ではできなかった「画質」と「定量精度」双方の両立と向上を実現した最新PET画像再構成機能Q.Clear(キュー・クリア)も搭載している。これにより,がん治療における診断能向上が期待されるとともに,治療前後の効果を比較判定する際に使用するSUV(PETで使用する診断薬の集積度合を示す数値(定量)指標)の信頼性・安定性も改善され,より客観的な治療効果の検証や新たな治療法への迅速な切り替え判断などが可能になる。
また,日々のオペレーションワークフローの面でも,検出器の超高感度化により検査時間の劇的な短縮*2および,放射性薬剤線量の減衰した低投与下検査での高画質化*3を実現。これにより,無駄な検査の削減と検査スケジュールの自由度の拡大が可能となり,ひいては患者さんの時間的負担も軽減する。
近年増加の一途をたどるがんの罹患者数は,超高齢社会を背景に,今後さらなる増加が見込まれている。がん治療において,治療効果の適切な判定と治療方針策定を行うための信頼できるPET検査を実現することで,患者さんのQOL向上と負担の軽減,また社会的課題でもある医療費の削減にも貢献することが期待される。
●PET/CTにおける課題
PET/CT検査は,体内に投与した放射性薬剤から発せられる信号を検出器で受容し集積具合を画像化するため,収集時間は20分ほどかかる。超高齢社会を迎えた現在,高齢の患者さんも増え,同じ体勢で動かずに撮影する時間をできるだけ短くすることが求められていた。
一方,日々のオペレーションでは患者さんが動いてしまった場合に,再撮影するのか,検査スケジュールに余裕はあるのか,撮影する場合は,放射性薬剤の半減期によって薬剤線量の減衰のために低投与となった状態で診断に耐えられる画質が得られるのか,といった判断をする必要があり,こうしたアクシデントに迅速に対応し検査の自由度をより広げられるPET/CTが求められてきた。
さらに,PET/CT検査においては,定量値(SUV)を治療の前後で比較することで,治療方法の効果を客観的に確認でき,現在の治療を続けるか,あるいは異なる治療法を選択するかを見極められるようになる。ただ,これまでは撮影条件によって同一患者でも数値にバラつきが出てしまうため,定量値(SUV)よりも画質を優先した画像再構成パラメータの設定を行い,不完全なSUVを使って診断するという現状があった。治療効果判定の精度向上に向け,信頼できる定量値(SUV)を安定的に算出することは関係者の願いであった。
●「Discovery IQ」の特長について
<新開発:超高感度検出器「LightBurst Detector(ライト・バースト・ディテクター)を搭載>
新開発の検出器「LightBurst Detector」では体軸方向に検出器が最大26cmまで拡張が可能であり,超高感度化によって患者さんの検査時間が短縮・画像収集処理能力が向上し,さらに定量性向上が期待できる。感度が向上することで,従来と同じイメージクオリティであれば放射性薬剤の低投与化が可能となる。それによって医療従事者の被ばく量も減少し,また検査スケジュール変更などの迅速なアクシデントにも対応可能となるメリットもある。
<次世代PET画像再構成「Q.Clear」を搭載>
逐次近似画像再構成内において繰り返して演算を行っても,従来のようにノイズが増大しないように,アルゴリズム内にノイズをコントロールし,増大を防ぐ演算を組み込んだ。これにより,収束するまで演算を行うことが可能となり,画質と定量値の双方の向上が期待できる。
*1 超高感度検出器:同社比感度約2倍
*2, 3 同社比
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
松井/ブランチャード
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp