2014-7-10
富士通は,病床数が20から200程度の中堅規模病院を対象とする,電子カルテシステムのクラウドサービス「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE Cloud Chart(ホープ クラウド チャート)」を7月10日より販売する。
本サービスは,国内市場でトップシェアを誇る同社の電子カルテシステムパッケージの機能と,医療事務システムパッケージの機能を,クラウド型で提供するもの。
これにより病院は,初期費用を抑え,迅速に,高機能の電子カルテシステムを導入できる。また,本サービスを提供するシステムは,最先端のセキュリティと堅牢な設備を備えた同社データセンターで運用されるため,セキュリティと信頼性,業務継続性も向上できる。
●開発の背景
現在,病床数200未満の中堅規模病院においては,予算やシステム管理者,サーバ設置場所などの確保が課題となり,電子カルテシステムの導入率は11%(注1)にとどまっている。
一方,地域医療ネットワークのニーズが高まる中,電子カルテシステム導入を希望する病院が増えている状況である。
●サービスの特長と効果
同社は1975年から医療機関向けのシステム開発と運用支援を行っている。多くの医療機関でのシステム導入や運用支援の経験により,同社は医療機関における標準的な診療業務プロセスを確立し,医療情報交換の標準規約を採用することで,電子カルテシステムのパッケージ化を実現してきた。
今回同社は,中堅規模病院向けに,オーダリングから電子カルテ,看護支援システムまで,大規模病院並みの先進機能を装備した電子カルテシステムと医療事務システムを,クラウド型で提供する。
同社はこれにより,全国の地域医療ネットワークの実現と医療の高度化促進に向け,中堅規模病院への電子カルテシステム普及促進を図る。
1. 電子カルテシステムの初期投資と運用コストを削減
既存の院内システムとの連携に使用する連携・資源管理サーバを1台用意するだけで,電子カルテ・医療事務システムを利用できるため,初期投資とハード保守費用を抑えられる。また,電子カルテサーバ,医事サーバに関する消耗品の購入費用,ICT設備や空調設備の電気使用料金などの運用コストも抑えられる。
2. 安心・安全なデータ保管と業務継続性を実現
本サービスを提供するシステムは,最先端のセキュリティと堅牢な設備を備えた同社データセンター(注2)で運用・管理されるため,万が一の災害時にも病院のデータを安全に保管する。
また,同社のデータセンターと病院間のデータ通信は,厚生労働省がネットワークを介して医療情報をやり取りするために定めたガイドラインに対応した,同社のクラウド・データセンター向けネットワークサービス「FENICS ビジネスマルチレイヤーコネクト」を利用し,ネットワーク経路上の改竄,盗聴,なりすましを防止している。
さらに,病院業務を熟知した担当者がサービスの導入支援,システム運用監視,保守などを一貫して行い,利用者をサポートするため,病院内にシステム管理の専門要員を配置する必要がなく,安心して医療業務に専念できる。
3. 多様なニーズに応える高機能,拡張性
200以上の中堅規模病院での導入実績と運用支援により同社が確立した中堅規模病院の標準的な診療録の記載方法や診療プロセス,病院のニーズを反映した電子カルテシステムの機能を提供する。
注1 病床数200未満の中堅規模病院における電子カルテシステムの導入率は11%:
厚生労働省「平成24年(2012)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」,「JAHIS オーダリング電子カルテ導入調査報告-2012年版(平成24年)」より
注2 同社データセンター:
株式会社アイ・エス・レーティングによる情報セキュリティ格付で,2011年1月に最高評価「AAAis」を取得。
●販売価格
初期:700万円~
月額:32万円~
※別途,本サービスを利用するための環境構築が必要となる。
●問い合わせ先
富士通(株)
ヘルスケア・文教システム事業本部 ソリューション推進統括部 第二推進部
TEL 03-6252-2502(直通)
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
http://jp.fujitsu.com/