2014-4-7
Ingenia 3.0T/1.5T CX
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン(以下 フィリップス)は,4月7日より,新型3.0T(テスラ),1.5T(テスラ) MRI装置(磁気共鳴画像装置)「Ingenia CX」の販売を開始することを発表した。
今回発売する「Ingenia CX」は,マグネットの磁場均一性に優れ,グラジエント性能もパワフルになり,日々のルーチン検査での画質改善と臨床現場からの高度な依頼にも応えられる,ハイエンドの3.0T/1.5T MRI装置。また本装置に搭載されているdStream(ディーストリーム)テクノロジーは,アナログデジタル変換器(ADC)をRFコイル*2 内に内蔵し,コイルから先はデジタル化された信号を光ケーブルで伝送するという,MRI装置で世界で初めて*3 デジタル化することに成功したものである。人体に一番近いRFコイル内でアナログデジタル変換することでSNR(信号強度比)が最大40%*4 向上し,画質の向上と検査のスピードアップにつながる。
「Ingenia CX」は,主に大学病院や総合病院を中心に販売する。
●Ingenia CXの特長
1. 高速撮像法での画質が向上
グラジエントコイル*1 の性能が高くなることで,高速撮像法での画質が向上する。最大傾斜磁場強度は「Ingenia 3.0T CX」で80mT/m*5,「Ingenia 1.5T CX」で66mT/mのグラジエントコイルを搭載し,脳神経領域における超高速イメージング技術のEPI(Echo Planar Imaging)*6,DTI(Diffusion Tensor Imaging)*7や心臓MRI撮像の画質が向上する。
2. ルーチン検査の時間短縮
完全デジタル化に成功したIngeniaシリーズは,SNR(信号強度比)が向上することでルーチン検査の時間短縮*8 もしくは高度な撮像をルーチン検査で行うことができる。従来のSENSE法*9 は撮像倍速を上げることでアーチファクト(ノイズ)が出ていたがdStreamテクノロジーのdS SENSE*10 は撮像倍速を上げてもアーチファクトの少ない画像を得られる。
3. 安定した高画質なDWI*11 法を提供
近年DWI(Diffusion Weighted Imaging)はルーチン検査として頭部,腹部,全身で使われるようになった。「Ingenia CX」は新しいDWI法「TSE DWI」(図1)と「LIPO」(図2)が搭載された。「TSE DWI」は歪みやすい側頭葉などで歪みを抑えた撮像を可能とし,「LIPO」は3.0Tの腹部DWI,乳腺DWIでのアーチファクト(ノイズ)を抑制 する。「Ingenia CX」のDWI法はこれらの新しいアプリケーションに加えマグネットの均一性とパワフルなグラジエントコイルを備えることで,安定した高画質なDWI法を提供する。
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*1 グラジエントコイルとはMRI装置において重要な勾配磁場を生成するためのコイル。
*2 RF(radio frequency)コイルとは 人体の信号を受信するための検出器。
*3 フィリップス社調べ。 2010年11月現在。
*4 フィリップス社調べ。従来フィリップス社製品との比較。
*5 mT/m(ミリテスラ パー メーター)とは単位長さあたりの磁場強度の変化量のこと。
*6 EPI(Echo Planar Imaging)とは高速撮像技術のひとつで,fMRIや拡散強調画像で用いられる撮影手法。
*7 DTI(Diffusion Tensor Imaging)とは中枢神経系において個々の神経線維路を描出する手法。
*8 フィリップス社調べ。従来フィリップス社SENSE法との比較。
*9 SENSE法とは高速撮像法のことで,撮影時間を短縮することができる。
*10 dS SENSEとは新しいSENSE法で,デジタルコイルによりノイズを抑え撮像時間を短縮することができる。
*11 DWI(Diffusion Weighted Imaging)とは,水分子のミクロレベルでのランダムな動き(ブラウン運動)を信号変化として強調した画像。頭部領域では急性脳梗塞,腹部では腫瘍の描出に応用されている。
●問い合わせ先
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン
ヘルスケア事業部 お客様窓口
TEL 0120-556-494 / 03-3740-3213
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