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クアルコムとメディカル・プラットフォーム・エイシア,岩手県における在宅健康管理を支援〜3G/LTE対応タブレットを使い,患者ケアの質向上に取り組む〜

2014-2-20

クアルコムとメディカル・プラットフォーム・エイシア(以下,MedPA)は,岩手医科大学が中心となって行っている被災地での医療活動に対するモバイル技術を使った支援を拡大する。30人の医療スタッフ向けに,クアルコムのSnapdragon™プロセッサを搭載したタブレットと3G/LTE通信環境を提供する。クアルコムのSnapdragonプロセッサは,クアルコムの100%子会社であるクアルコム テクノロジーズ インクの製品。医療サービスを受けにくい復興途上の被災地や過疎地に住む患者をケアしている医療スタッフにタブレットを導入することで,業務効率を改善すると共に,患者ケアの質向上を実現する。

これはクアルコムの展開する企業市民活動である,ワイヤレス通信技術を活用して,地域社会の抱える課題の解決を目指すWireless Reach™の支援によって実現するものである。Wireless Reachは2010年より,ワイヤレス在宅健康管理プロジェクトとして3G通信環境と対応機器を提供し,日本の遠隔地における医療サービスへのアクセス改善を支援してきた。

今回のタブレット導入により,これまで盛岡市内の病院内に設置されたPCに限定されていた患者データへのアクセスが,訪問先の患者宅やデイケアセンター等でも閲覧,更新できるようになる。また患者のデータはクラウド上に保存され,岩手医科大学等の医療機関の医師だけでなく,患者に関わる地元のクリニック,介護施設や支援センターからもリアルタイムにアクセス,情報の共有が可能になり,レポートも毎月自動作成される。また,往診時に患者にデータを見せることもでき,効果的かつタイムリーな診療や指導につながる。

2010年の支援開始当初は,遠隔地に住む300人の患者が3G通信モジュールと医療機器を使い,血圧,体重,歩数などの健康に関する重要な情報を医師に送信し,医師がそのデータをもとに健康状態を改善するためのアドバイスを行えるようにした。

そして2012年には,前年の東日本大震災で被災した地域に住む200人の患者を対象に追加した(http://www.qualcomm.co.jp/news/releases/2012/06/10/kuarukomutomedical-platform-asia-bei-zai-zhe-niwaiyaresujia-ting-xie-ya )。患者の中には,生活環境の変化や震災からのストレスにより新たに高血圧と診断される方や,病状が悪化する方がいたが,3G対応の家庭血圧管理システムを使うことで,医師は患者の血圧値を遠隔でモニターし,タイムリーな治療を行い,病気の重症化を防ぐことができるようになっている。

被災地に限らず,日本の遠隔地では,医療機関へのアクセスの難しさによって慢性疾患の患者が高度医療をうけにくい状況が生じている。本プロジェクトは,日本が抱えるこうした課題の解決に向け,ICTソリューションの有効性を検証している政府や自治体,医療機関の努力を後押しするものである。

クアルコムは,モバイル技術の発展がヘルスケアへのアクセス方法に変化をもたらしたことを鑑み,今後もモバイルヘルスの更なる発展に向け取り組んでいく。MedPAのようなパートナーと協力することで,モバイル技術のもたらす効果をますます高めることを目指す。

メディカル・プラットフォーム・エイシアは日本とアジアの医療分野における人的・物的交流を行うために2009年12月に設立された一般社団法人で,個人および法人からの会費で運営されている。この地域の多くの医療関係者が,一つのプラットフォームに集い,高血圧や糖尿病,がん,感染症などの疾病の予防や医療の促進に力を合わせることがアジアの人々の健康増進に大きく役立つと考えている。

 

●問い合わせ先
メディカル・プラットフォーム・エイシア
小野 起代己
TEL 03-5510-5410
Eメール:  ono@irims.co.jp