2013-10-7
一般社団法人 日本画像医療システム工業会(JIRA)は,任意団体 「安全なMRI検査を考える会」(代表 日本医科大学 付属病院 放射線科 土橋俊男氏, 信州大学 医学部附属病院 放射線部 平野浩志氏)と共同で「医療施設でのMRI装置の安全運用啓発DVD」を制作,第41回日本放射線技術学会 秋季学術大会 機器展示コーナー(2013年10月17~19日 会場:福岡県 福岡市天神 アクロス福岡 2階 ホワイエ)にて映像展示を行う。
MRI装置は磁場と高周波により人体の水素原子を励起させ,発生する信号を画像化し腫瘍や血管,脊髄などの診断を行うための画像情報を提供する装置で,MRI装置とその周辺は強力な磁場下におかれている。
こうしたMRI装置の原理による金属類の吸着や火傷事故を防ぐため, 医療機器産業界からもMRI検査室への金属類や各種の金属性インプラント等の持ち込み禁止など,MRI装置を安全に使用するために,従来から様々な使用上の注意喚起を行ってきた。
近年,MRI装置の高磁場化による磁場安全管理区域が変化している。また,MRI検査で使用する医療関連機器や材料の素材の多様化により一定使用条件でMRI検査を行える体内に植込み又は留置する医療機器やMRI検査室内への持ち込みが可能とされる製品が製造販売され始めている。
これに伴いMRI検査室内での医療関連機器の取り扱いが複雑化するなどにより,医療施設での安全運用上の瑕疵が頻発し日本国内の医療機関では,強力な磁石による金属類の吸着事故・火傷事故等が急激に増加している。
2012年には製造メーカーがサービス対応した事故に限られるが全国で約200件の吸着事故が発生しているが,潜在的な事故は相当数に上ると思われる。
JIRAは,被検者や医療関係者,病院,設備の管理業者などの安全確保のため,従来から安全啓発リーフレットの作成や安全管理運用についての各種講演などを通して産業団体として安全なMRI検査環境確保の啓発を進めてきた。
今般,より効果的な安全啓発活動のため医療現場で安全管理に携わっている医療関係者の任意団体である「安全なMRI検査を考える会」,画像医療関連の映像ソフトの制作経験の豊富なマルチメディア動画工房GROW社と共同でJIRA会員企業のMRI装置取扱企業の協力も得て,医療施設でのMRI安全運用を啓発するDVD映像ソフトを制作した。
医療関係者の意見・要望や事故事例などを参考に,万一金属類をMRI検査室に持ち込んだ場合などに何が起こるのかを再現撮影し,その撮影画像に「注意喚起」,「再発防止策」などを入れた各種CGを盛り込んで,被検者,看護師,診療放射線技師,医師,病院内の各種設備管理業者,MRI装置納入業者など医療施設内の様々な立場の方に利用できる分かり易い教育,啓発用のDVDを作成して普及することにより,安全なMRI検査の啓発活動のより一層の充実を図る。
制作されるDVDは次の4種類でJIRAが販売窓口となり,2014年1月販売予定。
(1) 被検者向け(着衣・各種金属物に対する注意等)
(2) 看護師向け(酸素ボンベ・点滴台等の持込禁止等)
(3) MRI装置担当診療放射線技師向け(金属物等に対する全般的な注意事項)
(4) MRI装置取扱会社技術者向け(作業時の注意事項等)
●問い合わせ先
一般社団法人 日本画像医療システム工業会
事務局 総務部 西口
TEL 03-3816-3450
産業戦略室 松本
TEL 03-3816-3451
http://www.jira-net.or.jp/
●「医療施設でのMRI装置安全運用啓発DVD」に関する問い合わせ先
事務局 法規安全委員会担当 田中
TEL 03-3816-3450