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富士フイルム,診療支援ビューワ「Clinical Advanced Viewer(クリニカル アドバンスド ビューワ)」新開発〜患者別・疾患別に検査画像や投薬・生体情報などの診療情報を統合管理〜

2013-4-10

富士フイルム(株)は,病院内の検査画像や投薬・生体情報などの診療情報を,患者別・疾患別に統合管理する診療支援ビューワ「Clinical Advanced Viewer(以下,CA-V)」を開発した。本システムは,患者の病態変化を時系列に一つの画面上に一覧表示することで医師の診療をサポートすることができる。
また,本システムは,平成25年4月12日からパシフィコ横浜にて開催される「国際医用画像総合展(ITEM2013)」富士フイルムブースで技術展示される。

近年の医療技術の高度化により,臨床現場の医師が日々の診療で参照する検査画像や投薬・生体情報(*1)などの診療情報は膨大な数におよび,一人の患者の診断に用いる情報は飛躍的に増加している。

医師は,患者の疾患に応じて行う各検査の結果を過去の診療記録と比較して,病態の変化を把握し,診断・治療方針を検討している。そのため,長期にわたって経過観察が必要な場合や,複数の疾患にかかっている場合,診断に必要な多くの情報収集に労力がかかるため,多様化する情報を効率的に整理して参照する方法が求められていた。

「CA-V」は,医師が診断や治療方針を検討するために必要な診療情報を,病院施設が利用している放射線科などの各部門システムから,患者別・疾患別に取り出し,統合的に管理する画期的なビューワ。患者それぞれの診療情報を,過去から時系列にグラフで視覚的に表示できる「タイムラインビュー(TLV)」により,医師は患者の病態変化をすぐに把握することができる。

TLVは,臨床医師の声をもとに開発した「疾患別絞り込み表示機能」を搭載。あらかじめ主要40疾患(*2)を対象に投薬・生体情報・検体検査などの診療情報から,医師が絞り込みに必要とする表示項目を設定している。例えば,肝硬変合併の肺炎患者が,数週間入院した場合,50項目以上の投薬情報や200項目を超える生体情報,血液検査などの診療情報が更新されるケースがある。これらの膨大な情報から,医師がこの患者の疾患に応じて優先して参照したい項目を,20項目程度に絞り込んで病態の変化を表示することができる。また,TLVから瞬時に切り替えられる「タイムスライスビュー(TSV)」を使うことで,診療情報の全項目を表形式で確認することもできる。

共同研究で本システムを評価している虎の門病院呼吸器センター内科の医師からは,「がんの化学療法や肺炎の抗生剤治療の治療効果を診る際に,副作用や合併症などの患者の状態変化を視覚的に捉えることができ,診療時の支援ツールとして期待できる可能性が高い」,「カンファレンスや患者さんへの説明に活用すれば,臨床のさまざまな場面で診療を支援することが可能なビューワである。」などのコメントがあり,臨床現場での活用が期待される。

*1 脈拍や心拍数,呼吸数,血圧,体温などの生体情報のこと。
*2 がんおよび呼吸器,循環器,消化器などの主要疾患を中心に約40疾患を対象としている。

Clinical Advanced Viewerの画面例

Clinical Advanced Viewerの画面例

 

●主な特長

(1) タイムラインビュー(TLV)機能で,病態変化を時系列に一つの画面上にグラフで表示

 

(2) 疾患別絞り込み表示機能で,主要疾患毎に診療情報を絞り込み表示

臨床医の声を取り入れて開発した富士フイルム独自の機能で,主要疾患毎に診療情報項目を絞り込んで表示することができる。がんおよび呼吸器,循環器,消化器などの主要疾患を中心に約40疾患を対象としている。なお,患者ごとに必要な診療情報項目を追加・削除し保存することができる。

(3) タイムスライスビュー(TSV)機能で診療情報の全項目の数値データを表形式で表示

診療情報の全検査項目の数値データを漏れなく表示し,簡単に参照することができる。また,任意期間の情報を数値形式で一覧表示することもできる。TLVとの切り替えも瞬時に行える。

 

●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/