2013-4-9
IMR
高い検出能を低線量で実現し,画像診断をサポート
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン(以下 フィリップス)は,4月9日より,CT画像の再構成にシステムモデルを使用した逐次近似画像再構成技術「IMR(Iterative Model Reconstruction)」(アイエムアール)の販売を開始することを発表した。
この「IMR」は,フィリップスが昨年の北米放射線学会(RSNA2012)で全世界に向け発表した,フィリップス最新のCT画像再構成技術。従来の統計学モデルに加え新たにシステムモデルを採用し,フィリップス独自の革新的なアルゴリズムを持つ技術として誕生した「IMR」は,最大90%*のノイズ低減,低コントラスト領域での検出能向上,高速な画像再構成を実現する。
画像診断装置の根幹である診断に役立つ画質にこだわり,被ばくというトレードオフを克服した「IMR」はノイズやアーチファクトによって読影が困難であった淡い陰影や微小病変の描出能を向上させることで,早期発見,早期治療へのプロセスへとつながることが期待される。
●「IMR」の特長
・最大90%*のノイズ低減がもたらす新画像:
「IMR」は従来のCT画像再構成法であるFiltered Back Projection(FBP:エフビーピー)に比べ,最大90%*のノイズ低減が可能。これにより高画質の取得を可能とする。例えばノイズレベルを調べるファントム撮影実験によると「IMR」で200mAsのX線量で得られる画像と同等の画像をFBPで得る場合,理論値上は5,200mAsという現実的には不可能なX線量が必要となる。つまり「IMR」によって,従来取得不可能であった高画像を得ることが可能となる。
・低コントラスト検出能の向上:
腹部CT検査などの低コントラスト領域において,検出能が従来法に比べ2.7倍*向上する。これにより従来はノイズに埋もれて検出困難であった淡い陰影の検出能が格段に向上する。特に単純CT画像における検出能の向上は診断能の向上に大きく貢献することが期待される。また低コントラスト分解能は業界をリードする2mm@0.3%@10.4mGy(従来は2mm@0.3%@16.4mGy)を達成し,CT検査の高速性と高空間分解能という特長に加え,低コントラスト領域における新たなCT画像診断を支援する。
・超高速画像再構成スピード:
「IMR」の専用画像再構成ユニット「IMR Cube(キューブ)」は,標準的な演算システムにIMR演算用チップを多数配置することで,特殊演算性能の向上と高速化を実現し,再構成時間の延長を防ぐ。それにより多くの検査において5分以内の再構成時間を実現する(1検査/999画像)。またユニットの小型化と発熱対策により,大型コンピュータに必須となる広い設置スペースや冷却のための専用空調が不要となる。
●「IMR」の臨床画像例
●「IMR」の世界における製品発表スケジュール
・RSNA2012:「IMR (Body)」発表
2012年11月の 北米放射線学会(RSNA2012)で新技術「IMR」を全世界に発表。主に躯幹部領域でのIMR画像を紹介。
・ECR2013:「IMR Cardiovascular」発表
2012年3月の欧州放射線学会(ECR2013)で新たに心臓領域におけるIMR画像を「IMR Cardiovascular」として発表。
・ITEM in JRC 2013:「IMR Neuro」発表予定
2013年4月の国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2013)で日本国内向けに「IMR」の発表を行うと同時に,全世界に「IMR Neuro」を発表予定。
●「IMR」搭載可能機種
・フィリップスCT装置,Brilliance iCT(ブリリアンス アイシーティー)シリーズ
・フィリップスCT装置,Ingenuity (インジェニュイティ)シリーズ
* 海外フィリップス社調べ。同社製品FBP画像との比較。
●価格
2億1千万円(税込)
●問い合わせ先
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン
ヘルスケア事業部 お客様窓口
TEL 0120-556-494 / 03-3740-3213
http://www.healthcare.philips.com/jp_ja/