2012-11-28
EG-580RD
富士フイルム(株)は,早期がん治療の患者負担軽減をサポートする上部消化管用処置内視鏡の新ラインアップとして,病変を処置する際の操作性を向上した「EG-580RD」を,11月29日より富士フイルムメディカル(株)を通じて発売する。
近年,食道・胃・大腸の内側の粘膜にとどまっているがん組織などの病変部を開腹することなく,内視鏡で観察しながら切除する「内視鏡的粘膜切除術(EMR)(*1)」や,粘膜下層を切開・剥離する「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)(*2)」といった患者負担の少ない治療が注目されており,国内施設における症例数は,年々増加している。特にESDには,高度な技術が要求されるため,その普及には処置具や内視鏡の改良による処置性,操作性のさらなる向上が求められている。
今回発売する「EG-580RD」には,スコープ先端から圧力のかかった水を噴射することで病変部や出血部位の視野を明瞭にできる「ウォータージェット機能」を搭載。従来機種(*3)に比べて,スコープ先端部のウォータージェットノズルの位置を処置具の出口近くに配置することで,処置時の送水性を改善した。これにより,病変の部位を明瞭な状態で確認しながら処置できる。
また,処置具を出し入れする鉗子口径は,挿入性と吸引性を両立できる3.2mmを確保しながら,先端部径を9.8mmの細径としたほか,スコープ軟性部に適度な硬さを持たせることで操作性を高めている。さらに,スコープ先端部の上下左右の湾曲角度が広く,小回りがきくため,観察しにくい部位へのアプローチをサポートする。
このほか,高い解像度を持つ独自の画像センサー「スーパーCCDハニカム™」と同社がカメラレンズの設計で培った光学技術を駆使し,内視鏡用に新開発したレンズとの組み合わせで画質を最適化させ,近接撮影における観察性能を向上させている。
*1 Endoscopic Mucosal Resection の略
*2 Endoscopic Submucosal Dissectionの略
*3 同社従来機種「EG-450RD5」との比較
●主な特長
(1)処置性能を向上
鉗子口径は3.2mmを確保し,処置具の挿入性と吸引性を両立している。
スコープ先端から圧力のかかった水を噴射することで,病変部や出血部位の視野を明瞭にできる「ウォータージェット機能」を搭載しています。スコープ先端のウォータージェットノズルの位置を,処置具の出口近くに配置することで,処置するポイントへの送水性を改善した。
ウォータージェットノズルの口径を従来機種(「EG-450RD5」)の0.5mmに対して,1.0mmに拡大し,送水時の安定性を確保している。
(2)安定した挿入性・操作性を追求
鉗子口の直径は,処置具の挿入しやすさと吸引性を両立できる3.2mmの幅を確保しながら,先端部径を9.8mmの細径としたほか,軟性部に適度な硬さを持たせることで操作性を高めている。また,スコープ先端部の上下左右の湾曲角度が広く,小回りがきくため,観察しにくい部位へのアプローチをサポートする。
(3)新開発の画像センサーとレンズの搭載により高画質画像を提供
新開発した独自の画像センサー「スーパーCCDハニカム™」とレンズを搭載,ノイズ低減技術と組み合わせ て,解像度が高く,歪みの少ない画像を提供する。
病変に近接して処置することが多いESDへ対応するため,高い解像度を持つCCDとレンズとの組み合わせで画質を最適化させることで,近接画質を向上し処置をサポートする。
●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fujifilm.jp/