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2012-10-2

オリンパスメディカルシステムズ（株）は肝臓がんを焼灼する医療機器である「バイポーラ^※1RFA^※2システムCelonPOWER」を2012年12月末に発売予定。このシステムは，国内では初めてとなるバイポーラ方式を採用した肝臓がん治療用のラジオ波^※3焼灼装置である。

「バイポーラRFAシステムCelonPOWER」は，患者さんの腹部に，長さ100～250mmの針状の「プロサージアプリケータ」を経皮的に穿刺し，そこにラジオ波と呼ばれる高周波エネルギーを流して肝臓がんを凝固壊死させるシステム。バイポーラ方式の採用により，対極板が不要となり，対極板付近での皮膚熱傷の心配が無くなるとともに，予期せぬ周囲臓器の損傷などのリスクが低減される。さらに複数の「プロサージアプリケータ」による同時焼灼も可能になり，治療時間の短縮と広範囲の同時凝固が期待される。これにより，肝臓がん治療における患者様や医療従事者の負担軽減に貢献する。

なお，本製品は10月10日～13日，神戸国際展示場で開催される「第20回日本消化器関連学会週間（運営委員長：岩手医科大学 消化器・肝臓内科分野　鈴木 一幸 教授）」で展示される。

※1 バイポーラ：エネルギーの出力方式のひとつ。電気の流れを作るために電極と対極板が必要なモノポーラ方式に対し，バイポーラ方式は2つの電極間で通電させるため，対極板は不要となる
※2 RFA（Radio Frequency Ablation）： ラジオ波により発生するジュール熱により病変部を凝固壊死させる治療法
※3 ラジオ波：一般的には無線通信用の周波数域の電波を指すが，肝RFA治療には四百数十キロヘルツの周波数が用いられる

●主な特長

1. 国内初のバイポーラ方式を採用
「バイポーラRFAシステムCelonPOWER」は，先端に2つの電極を有する国内初のバイポーラ方式のアプリケータを採用。従来のモノポーラ方式とは違い，大腿部などに対極板を貼る必要がないため，対極板付近での皮膚熱傷リスクが無くなることや，患者様の発熱や発汗の軽減が期待される。

2. 複数アプリケータの同時穿刺・凝固が可能
当システムはバイポーラ方式を採用しているため，同時に2本ないし3本のアプリケータを穿刺することができる。2本の場合には4つの電極間で，また3本の場合には6つの電極間で通電が起こるため，大きな範囲を凝固させることが可能になった。これによって，治療時間が短縮され，患者さんへの負担が軽減されることが期待される。

3. 高周波出力の自動制御を搭載
組織は，通電により凝固が進むことによって電気抵抗が上がる。当システムでは，電気抵抗値をより正確にモニタリングし，電気抵抗値の変化に応じて，高周波出力を自動的に調整する機能を搭載した。これにより，医療従事者は治療中に出力の調整をする煩雑さから解放される。