医知の蔵(クラウドサービス・GEヘルスケア・ジャパン)
医用画像データの新しい行き先。クラウド型医用画像外部保存サービス「医知の蔵」
2012-2-1
FOCUS ON 導入事例:
深谷赤十字病院,星総合病院(2015年12月号)
/ 公益財団法人 星総合病院(2013年11月号)
増え続ける医用画像の限界を,新たな仕組みで乗り越え
医療技術の高度化や画像診断機器の高性能化により,発生する画像データ量は増加の一途をたどっています。日本国内で発生する主な放射線検査(CT,MRI およびCR)の画像データ量は,年間で約5PB(ペタバイト:1ペタバイトは1000TB)と推計され,単純計算すれば過去5年分と今後5年分のデータを保管するだけで,日本全国で年間約50PBものストレージサーバが稼働していることになります。また,一般的にPACSでは,日々閲覧するデータとは別に,長期保管・バックアップ用途としてデータを二重化しているため,これを考慮すると,合計100PBものストレージサーバが絶え間なくハードディスクを回転させ続け,膨大な電力を消費するわけです。しかも,およそ5年に一度行われるシステム更新では,今後発生すると見込まれるデータ量を試算し,あらかじめ必要十分なストレージサーバを用意しておきます。つまり,更新直後のタイミングでは,ほとんどが空き領域の未稼働ハードディスクをいたずらに回転させ,電力を浪費し続けているだけでなく,重い初期投資の負担を医療機関にかけていることに……。この課題を解消する新しい仕組みが,早急に必要となっています。
医療コストを削減し,医療をより身近なものとするために
一方,世界でもいち早く本格的な高齢社会を迎えた日本では,この現状に対応する医療や介護の環境を早急に整備する必要が出てきています。その第一歩となるのが,より高度な医療を,誰もが,より安く受けられる環境づくりにほかなりません。また,早期発見・早期治療を実現していく上で医用画像の重要性はますます高まっており,その確実な保管と有効な活用は,今後の医療にとって重要課題と言えるでしょう。GEヘルスケア・ジャパンは,こうした課題に答えを出すべく,データセンターによる画像データのホスティングサービス医知の蔵を立ち上げました(図1)。必要な時に必要な分だけストレージ容量を拡張でき,なおかつ一括集中管理によるメンテナンス効率の向上,大量仕入れによる調達コストの削減といったメリットにより,社会的なムダや損失,さらには医療コストの削減に寄与すべく開発されたこのサービスは,まさにGEが「医療コストの削減」「医療アクセスの拡大」「医療の質の向上」の実現に向けて推進してきた「ヘルシーマジネーション」の理念から生まれた,新しいサービスです。
患者さんの大切な医用画像を,守り抜くために
医知の蔵は,消費電力や初期投資のムダを軽減し,日々のデータ保全や管理に費やしていたシステム管理者の皆さまの工数を削減することにもつながります。それだけではありません。従来のように医療機関の中だけで画像データを保管している場合,大規模災害などにより,貴重な画像データが一瞬にして大量に失われるリスクも考えられます。医知の蔵は,GEヘルスケア・ジャパンとソフトバンクテレコム株式会社との提携により,ソフトバンクの保有する高度なセキュリティや耐震設計が施されたデータセンターを利用して提供されます。しかも,患者さまの大切な医用画像は,各省庁のガイドラインに対応し,国内2か所に分散させたデータセンターにて厳重に保管されるため,大規模災害からのリスクを大幅に軽減することが可能となります。GEヘルスケア・ジャパンは,この医知の蔵をファーストステップに,ITを活用して個人の医療・健康情報をもとに個人が健康になる仕組み(e-Health)づくりの推進をはじめ,新たな医用画像の運用・活用プロセスを提案してまいります。
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