｢MINCADI｣は，放射線検査における医療被ばくの正当化および最適化を支援し，患者に対する医療安全の取り組みの一つとして貢献する画像検査情報管理サービスである。クラウドモデルを採用することで，初期費用や保守費用の低減を実現し，他施設との同機種間比較などの，クラウドならではの機能を提供する（図1）。

図1　MINCADIの構成イメージ

●自施設の検査内容管理

自施設の検査線量と診断参考レベル（DRLs 2015）との比較，検査条件の変遷，装置別検査数の増減などを管理できる。時系列での線量推移，任意の期間や検査部位などの指定条件の設定が可能である（図2）。

図2　MINCADIの他施設との比較画面

●患者ごとの被ばく線量管理

患者ごとの医療被ばくデータを保存しているので，患者個人単位で検査日，撮影部位，検査名を一覧表示することが可能である。

●Aline-ment機能

施設ごとに使用される検査名は異なるため，他施設との比較には検査名の統一が不可欠である。MINCADIでは，統一検査名で管理する機能“Aline-ment”を提供することで，他施設との比較機能，被ばく分類の統一化を実現した。JJ1017コード運用を行っている施設ではAline-mentは自動化されている。

●検査内容の比較機能

他施設との単純な線量比較だけでなく，装置の機種名，被検者の年齢階級などの条件で比較ができる。機種や被検者の体格による偏りを考慮した線量比較や撮影条件の参照により，医療被ばくの妥当性を検証し，最適化に貢献する。