技術解説(ザイオソフト)
2016年7月号
3Dプリンティングの製品・技術紹介
Ziostation2 / 「Ziostation2」の3D臓器造形システムインターフェース
近年3Dプリンタの普及はめざましく,術前のシミュレーションとして使用するデバイスの選択やアプローチ方法を,手術に携わるスタッフとともに意識統一させることが可能になってきた。さらに術者は,患者の疾患部位と同形状のモデルを手にできることで,その手技における留意点や難しさ,期待しないことが生じた際の回避策などを術前にシミュレーションすることができる。3D臓器造形モデルを有益に活用するためには,目的に合わせて構築することが肝要である。また,教育用途として解剖学を学ぶ際に,以前はワークステーションでのボリュームレンダリングが使用されてきたが,それにとって代わる教育資料として使われることもしばしばである。
「Ziostation2」では,3Dプリンタに対応するSTL出力機能を保有している*。
Ziostation2により目的の部位の3D画像データを作成し,出力したSTLファイルを3Dプリンタ装置,または造形サービス会社に送ることで,3D臓器造形モデルを作製することが可能である。
今回紹介する心臓の3Dモデルは,実際にZiostation2で作成したボリュームレンダリング画像(図1 a)を基にSTLファイルを出力し,そのファイルをSTLビューワで確認(図1 b)した上で,3Dプリンタで作製されたものである(図1 c)。STLファイルは時として面の表裏情報やつながりに関してエラーを生じやすく,プリンティング前にデータの修正が必要になる場合がある。しかし,Ziostation2のインターフェースで出力されたSTLファイルでは,ボリュームレンダリングで作成されたデータとほぼ同等のSTLを作成することができるため,3D臓器造形モデルを簡便に作製することが可能である。今後,当機能は編集の容易さを向上させるなど,身近なツールとして利用できるように開発を進めていく予定である。
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