技術解説(シーメンスヘルスケア)
2021年8月号
Women's Imaging 2021 最新技術
Breast MRIにおける高速撮像技術の応用
Breast MRIは,乳がん診断において検出感度が高く,精査の役割を担っている。本稿では,Siemens Healthineersの高速撮像技術について紹介する。
●SMS RESOLVE
拡散強調画像(DWI)は,非造影での腫瘍評価を目的として,有用性が高まってきている1)。そこで,歪み低減技術の“RESOLVE”に,多断面同時励起技術の“SMS(Simultaneous Multi-Silce)”を併用することで,高空間分解能化と撮像時間短縮の両立を実現した。STIRによる均一な脂肪抑制法も使用可能であり,今後の臨床応用への普及が期待されている(図1)。
●GRASP
近年の動向としてultrafast-DCE MRIが報告されており,造影早期動脈相の多時相収集が注目されている2)。圧縮センシングによる超高速撮像を実現した“GRASP(Golden-angle RAdial Sparse Parallel)”では,乳房の3Dダイナミック画像を各時相4秒以下で収集可能となった(図2)。111.25°のGolden-angleに基づいたラジアル収集を採用しており,突発性の動きや呼吸の影響に対して非常に強い特長がある。また,Golden-angle独自の利点として,再構成に使用するデータの自由度が高く,数十秒の画像や数秒の画像を任意に作成できる。差分画像やwash-inカラーマップなどを解析する際にも,検査コンソール内で各時相の画像位置補正が自動計算され,高い精度で評価可能となった。
●参考文献
1) Kishimoto, A.O., et al. : Evaluation of malignant breast lesions using high-resolution readout-segmented diffusion-weighted echo-planar imaging: Comparison with pathology. Magn. Reson. Med. Sci., 20(2): 204-215, 2021.
2) Honda, M., et al. : New parameters of ultrafast dynamic contrast-enhanced breast MRI using compressed sensing, J. Magn. Reson. Imaging, 51(1): 164-174, 2020.
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