技術解説(シーメンスヘルスケア)

2017年8月号

Women's Imaging 2017 最新技術

進化する「MAMMOMAT Inspiration」のブレストイメージング

近年,トモシンセシステクノロジーが,臨床上のメリットを踏まえ,身近なものとなってきています。診断能向上をめざして開発を行ったシーメンスのトモシンセシス技術を搭載するだけでなく,さらなる新たなテクノロジーを搭載可能とした「MAMMOMAT Inspiration」(図1)を,本稿では紹介します。

図1 MAMMOMAT Inspiration装置外観

図1 MAMMOMAT Inspiration装置外観

 

●MAMMOMAT Inspirationの進化
トモシンセシス搭載を掲げて開発を行ったこの装置は,販売当初,2D撮影のみ対応する機種として誕生しました。その後,バイオプシー対応機種へと進化し,続いて,ようやくトモシンセシス搭載機種へ変わりました。進化はこれだけにとどまらず,通常の2D撮影のグリッドレス撮影による低被ばく機構“PRIMEテクノロジー”を搭載可能としました。2D撮影にトモシンセシス撮影を追加撮影の場合に課題とされている被ばくの問題を,2D撮影による被ばくを低減することで解決しています。さらには,2016年の末に開催されたRSNAでは,トモシンセシス撮影から得たデータを用いて画像再構成を行った新たなテクノロジー“High Definition Breast Tomosynthesis(HDBT)”を製品化したことを発表しました。

●HDBTテクノロジー
当社では,MAMMOMAT Inspirationが進化し続けるために,開発の段階で必要とするトモシンセシス技術は,まず緻密なデータを得ることが重要と考えました。そのため,トモシンセシス撮影時のX線管の振り角は±25°の広角のみとし,25回の曝射を行います。この緻密なデータを得ることで実現したのが,下記3つのテクノロジーです。
・EMPIRE:逐次近似法を用いたトモシンセシスの新たな画像処理
・Insight2D:トモシンセシス撮影から得たデータに画像再構成を行った合成2D画像
・Insight3D:トモシンセシス撮影から得たデータに画像再構成を行い,回転できる3D回転画像

* * *

以上に述べたこだわりのあるトモシンセシス技術は,これまでのようなクリアなトモシンセシス画像だけにとどまらず,新たな精度の高いHDBT画像を提供できるようになりました。今後は,そのHDBTの臨床的有用性を報告していきます。

 

【問い合わせ先】
コミュニケーション部
TEL 0120-041-387
URL http://www.siemens.co.jp/healthineers

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