技術解説(シーメンスヘルスケア)
2016年3月号
US Today 2016
ケーブルレストランスデューサが生み出す新たな可能性「ACUSON Freestyle」
平山 秀男(シーメンスヘルスケア(株)超音波事業部)
もしケーブルがなかったら? そんな夢の形を実現したのが,世界で初めて,ケーブルレストランスデューサを搭載した超音波診断装置「ACUSON Freestyle」である(図1)。ケーブルレスにより生み出される自由な発想で,中心静脈穿刺や下肢静脈瘤焼灼術など,point-of-careにおける超音波ガイドを併用する手技を,より安全で確実に実施できるようにサポートする(図2)。
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■ワークフローの改善
point-of-careの現場では,いち早く診断し,治療方針を決定することが重要となる。そのような環境下では,少しの手間もストレスになりワークフローを滞らせる原因になりかねない。清潔区域や限られたスペースではなおさらである。
ケーブルレストランスデューサは,実際に検査を行う術者のストレスを低減するのはもちろんのこと,清潔区域での操作補助や,装置移動の際のケーブル巻き込みによる断線リスクなども取り除くことで,周囲の医療従事者のワークフローも改善し,患者へのより安全で迅速なアウトプットの提供に貢献する。
■広がる装置レイアウト
ACUSON Freestyleのケーブルレストランスデューサには,本体の遠隔操作機能も搭載されている。従来では,ケーブルの長さや,操作パネルまでの距離などの問題から装置レイアウトが限定されてしまい,超音波診断装置の移動だけでなく,血管造影用のCアームやモニタといった大がかりなレイアウト変更を必要とする場合もあった。
ACUSON Freestyleであれば,トランスデューサから約3mという広範囲で遠隔操作が可能。多くの機材が密集するエリアでも,最適な場所に超音波診断装置のレイアウトが可能である。遠隔操作可能な範囲を超えた場合には,アラームでお知らせする機能も搭載しているので,安心して利用いただくことができる。
■感染リスクを低減
血管造影室や手術室などで,清潔区域を維持することは,患者への感染リスクを低減する意味でも,効率的なワークフローを実現するためにも欠かせない。通常,清潔区域で超音波診断装置を使用する際には,滅菌カバーをトランスデューサ部分のみならず,ケーブル部分まで含めて被せる必要がある。また,装置を使用しないときでも,ケーブル部分が不潔区域に触れないよう細心の注意を払う必要がある。
ACUSON Freestyleならば,こういった清潔区域での煩わしいケーブルマネジメントから解放され,感染リスクの低減はもちろんのこと,本来の処置に集中でき,ワークフローの向上だけでなく,患者へのより安全で迅速なアウトプットの提供に貢献する。
【問い合わせ先】
超音波事業部
TEL 03-3493-7520
URL www.siemens.co.jp/healthcare/