近年，乳がんの広がり診断および精査にMRI検査が幅広く活用され，さらに，2018年度の診療報酬改定においてMRIによる乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術が新たに加えられたことで，さらなる診断能の向上が期待されています。本稿では，弊社最新バージョン“SIGNA Works”を搭載したMRI装置によるbreast imagingの取り組みに関して紹介します。

●高分解能/高速撮像イメージングの取り組み（Flex & HyperARC/HyperSense）

乳腺MR検査において，脂肪抑制効果を高めることは重要です。SIGNA Worksでは，左右個別にシミング領域（シムボリューム）を設定できるデュアルシム機能だけでなく，腋下などの脂肪抑制を効果的に行う2point-Dixon法“Flex”が併用可能です（図1）。このFlexは，region growing法によるフィールドマップを用いて磁場不均一の補正を行うことで，脂肪抑制効果を高めることが可能で，2D高速SE法（FSE-Flex），3Dボリューム撮像（Cube-Flex，VIBRANT-Flex）に併用可能です。また，動きに強いパラレルイメージングとノイズ低減技術が融合した“HyperARC”を併用することができます。さらに，Cube-Flexにおいては，圧縮センシング技術“HyperSense”を活用することで，画質を低下させることなく高速化が可能です。

図1　VIBRANT-Flex（デュアルシム機能と撮像例）

●Oncology/治療効果判定の取り組み

病変検索などに用いられる拡散強調画像は，上記デュアルシム機能を用いることで歪みの少ない画像を提供可能です。また，Flexを併用可能なビューシェアリング法を応用した高速3Dボリューム撮像法“DISCO”と，解析機能“GenIQ”を用いることで，腫瘍組織における新生血管の機能評価（permeability評価）を行うことが可能です。また，乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術に対応可能なブレストコイルと穿刺用グリットを提供できます（図2）。

図2　HDブレストコイルとMRガイド下バイオプシー用グリット装着図

販売名称：ディスカバリーMR750w
認証番号：223ACBZX00061000
SIGNA Architectは販売名「ディスカバリーMR750ｗ」の類型シグナArchitect（SIGNA Architect）です。