技術解説(富士フイルム)

2016年7月号

3Dプリンティングの製品・技術紹介

3次元画像解析システムボリュームアナライザーSYNAPSE VINCENT / サーフェス表示オプション機能について

富士フイルム社製「SYNAPSE VINCENT(VINCENT)」では,3Dプリンタが解釈できるフォーマットとして一般的であるSTLを出力することができる。
出力したSTLを編集後,3Dプリンタに入力しSTLの印刷,サポート剤除去などの過程を経て医師,診療放射線技師が利用できる3D模型が完成する。
本稿では,VINCENTに搭載されているSTL作成,出力の特徴的な機能を紹介する。

●セグメンテーション
VINCENTでは,必要な臓器をセグメンテーションする作業時間の短縮,操作者間の再現性向上を目的とした画像処理アルゴリズムを搭載している。
“肝臓解析(CT)”“肺切除解析”“腎臓解析”といった術前シミュレーション用の解析アプリケーションからセグメンテーション結果をSTLで出力する機能を有する(図1)。

図1 肝臓3D模型の作製例

図1 肝臓3D模型の作製例
a:肝臓解析(CT)内で画像処理技術“Image Intelligence”を用いた画像処理アルゴリズムでセグメンテーションを実施
b:VINCENTで作成したSTLを用いて3Dプリンタで印刷

 

●STL変換,出力
三次元データからセグメンテーションした結果に対して等値面を求める処理を行うが,等値面の対象としてマスク領域に加え画素値(HU値,信号値など)を設定することができるため,組織の密度情報を反映した表面形状を再現できる。
また,通常のSTLにはポリゴンと呼ばれる三角形の集合体に関する情報が記載されているが,色情報を属性情報として付与するColor STLもサポートしている(図2)。

図2 MRIから“骨分離”機能を利用したサーフェス表示(Color STL)

図2 MRIから“骨分離”機能を利用したサーフェス表示(Color STL)

 

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TEL 03-6419-8033
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