技術解説(富士フイルム)
2015年10月号
CTC最新技術動向
3Dワークステーション「SYNAPSE VINCENT」の大腸解析ソフトウェア(Ver4.3)がめざす読影効率の向上について
CTCを行う上で,3Dワークステーションは拡張された大腸領域の抽出,タギングされた残液領域のクレンジング処理,仮想内視鏡経路の作成といった画像作成機能と,仰腹臥位の2体位同時観察,仮想内視鏡画像とMPR画像を用いた病変観察(ポリープ観察),見つけた病変の登録(ピックアップ)と計測,腸管内の隆起物をカラー表示する隆起物強調フィルター機能,登録した病変をレポート形式にまとめてPACSへ送信,または紙印刷を行えるレポート作成機能といった読影作業の効率化が可能となる機能を医療現場から強く求められます。
本稿では,上記を念頭に「SYNAPSE VINCENT」(以下,VINCENT)が提供する機能として,以下の2つのポイントを紹介します。
●院内配信
VINCENTの配信機能はCT操作室,読影室はもちろん内視鏡室や手術室内においても,クライアントの種類を問わず大腸解析の機能を制限なく利用可能です。
診療放射線技師による画像作成や技師読影,読影室の放射線科医,または内視鏡室の消化器内科医の読影までの作業をスナップショット(解析途中状態を保存する)機能を利用することで,1つの症例に対して各専門分野の医療従事者が共同で画像処理,解析が可能です(図1)。
●模式図表示
より効率的なCTC読影を実現する上で,大腸全体にどのような注目点(ポリープ,憩室,残渣)が存在するかの把握が重要です。そこでVINCENTでは,読影の補助機能として大腸全体を1本の線で表し,注目点(以下,ピックアップ)を一目で観察できる模式図表示を搭載しました。また,ピックアップ箇所のアイコンもカスタマイズ可能であり,ポリープ,残渣,憩室などを色分けし,複数種類準備することで,大腸全体のどこにどのような所見が存在するかも容易に確認可能な機能です(図2)。
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