PICK UP 
新たなオープンMRIシステム登場

2021-5-25


磁場強度0.4TオープンMRIの新バージョン「APERTO Lucent Plus」(図1)と0.3Tの「AIRIS Vento Plus」(図2)が開発されました。これら製品は,1.5T超電導MRIで好評を得ているSynergyDriveを搭載したオープンMRIです。

図1 APERTO Lucent Plus

図1 APERTO Lucent Plus

 

図2 AIRIS Vento Plus

図2 AIRIS Vento Plus

 

今回新たに搭載されたアプリケーションの総称“SynergyDrive”(図3)は,高速化ソリューションの“IP-RAPID”,操作性向上機能“AutoExam”などにより構成されます。被検者が検査室へ入室し,検査完了して退出するまでの一連のMRI検査の流れであるワークフローを効率化することで,検査時間を従来よりも短縮することができます。これまで永久磁石オープンMRIにおいて課題となっていた,撮像時間が長く,検査時間がかかるという問題点を改善するものです。

図3 ワークフロー効率化SynergyDrive

図3 ワークフロー効率化SynergyDrive

 

撮像時間を大幅に短縮する

新技術IP-RAPIDIP-RAPIDはSynergyDriveの中核をなすアプリケーションで,アンダーサンプリングと繰り返し演算IP(Iterative Process)を活用した再構成処理を適用し,画質を維持したままノイズを低減して撮像時間を短縮する機能です。
この機能は,T1強調画像,T2強調画像やMRA画像など多くのシーケンスに適用することができ,幅広い部位で高速撮像が可能で,ルーチン検査の撮像時間を従来に比べて短縮できます。もちろん,この短縮時間は画質の向上や撮像範囲の拡大に利用することも可能です。

オペレーターの操作を簡略化するAutoExam

AutoExam(図4)は,撮像の条件設定や撮像位置決め(AutoPose),画像処理(AutoClip),画像表示,画像保存の機能をまとめて登録することにより,高度な自動化を実現してワンクリックによる頭部検査実施を可能とする機能です。
新技術の“AutoClip”は,頭部MRA画像のクリッピング画像を自動で作成するデジタル画像処理技術です。これは特徴量に基づいて脳領域を3D画像から識別抽出することで,不要部分のクリッピング処理を実施し,従来はオペレーターの大きな手間となっていた画像処理操作を自動化処理により支援します。

図4 高度な自動化を実現AutoExam

図4 高度な自動化を実現AutoExam

 

* 「APERTO Lucent Plus」は「日立MRイメージング装置 APERTO Lucent 医療機器認証番号:222ABBZX00151000号」の新しいシステムソフトウェアを搭載したモデルの呼称です。
* 「AIRIS Vento Plus」は「日立MRイメージング装置 AIRIS Vento 医療機器認証番号:221ABBZX00062000号」の新しいシステムソフトウェアを搭載したモデルの呼称です。
* AIRIS,AIRIS Vento,APERTO,APERTO Lucentは富士フイルムヘルスケア株式会社の登録商標です。


TOP