技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)
2016年12月号
放射線線量管理システム技術解説
被ばく線量管理ソフトウェア“線量マネジメント”
●製品概要
当社の「Vitrea」の“線量マネジメント”は,日々の検査状況を明らかにする線量管理,撮影プロトコルの管理,装置の効率的な利用につながる稼働状況モニタリング機能を提供し,日々の医療業務をさまざまな角度から支援している。
●製品特長
1.線量モニタリング
CTスキャナやX線循環器診断システムから得られる線量情報を,所望の条件に従って分析,グラフ表示する。DRLs 2015などの線量ガイドラインを参照し,閾値を超える線量値(CTDIvol,DLP,DAP,入射皮膚線量など)や検査時間の確認,装置/操作者ごとの検査履歴の確認が行える(図1)。また,特定の撮影プロトコルの線量トレンド分析や照射録を表示し,分析結果はPDF形式のレポートやCSV形式のファイルとして出力することで,線量分析結果の二次利用を可能にする。
2.DTS線量情報管理
X線循環器診断システム「Infinix Celeve-i」の“Dose Rite DTS(Dose Tracking System)”から得られる線量情報を利用し,同一患者の過去検査の入射皮膚線量をカラーマップとして積算表示することで,術後の被ばく管理,次回検査の計画に有効利用できる。
3.CTプロトコル管理
当社のCTスキャナで作成・編集した撮影プロトコルを,管理画面上でレビュー,承認した上で,ネットワーク接続されたほかのCTスキャナに配信・共有することができる。適正に管理された撮影プロトコルによる検査が実施できる。
4.装置稼働状況モニタリング
線量情報を収集したCTスキャナおよびX線循環器診断システムの稼働状況を分析し,その結果をグラフ表示できる。
●今後の展開
線量管理とプロトコル管理の連携を強化し,線量分析結果から撮影プロトコル改善を図るワークフローの実現,さらに患者単位の線量管理などにも今後対応していく予定である。
線量・プロトコル・画質をトータルに分析・改善することで,医療被ばく最適化への貢献をめざしている。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/