技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)
2015年10月号
臨床応用が広がるワイヤレスFPD最前線
「高画質」と「低被ばく」を両立した高性能ワイヤレスFPDシステム
デジタルラジオグラフィ装置「TFD-2020A」は,高性能ワイヤレスFPDと新デザインのインターフェイス,長年にわたって培われた信頼性の高い画像処理技術などを搭載した最新のデジタルラジオグラフィ装置です。
ワイヤレスFPDは,高感度CsI:TI(タリウム活性化ヨウ化セシウム)シンチレータを搭載した東芝電子管デバイス社製FPD(図1)を採用しています。先進の直接蒸着技術により,MTFは0.33以上(2Lp/mm)とDQEは70%以上の高性能を実現し,入力面には高効率の反射膜をコーティングすることで,約20%(当社比)の撮影線量低減が可能となります。さらに,バッテリ単体での残量チェック機能や,取り落とし防止のためにFPD背面の全周囲をFull-Nonslipping加工するなど,安心に配慮して設計されたFPDです。
コンソールは,シンプルオペレーションを可能とする直感的なデザインを取り入れた新しいインターフェイスに刷新し,使い勝手が大幅に向上しました。日々の撮影をサポートするため,ルーチン検査のショートカットメニュー化やX線発生装置との撮影条件連動など,多彩な機能を付帯しています。
長年にわたって培われた高度な画像処理技術によって,最小のX線量で得た画像データを最大限に活用して日々の画像診断をサポートします。低・高濃度部をリアルタイムで自動補正する“DCF(デジタル補償フィルタ)”やシャープで低ノイズな画像を実現する“f-Proc(マルチ周波数処理)”などの機能のほか,新しくDIP法による骨塩定量測定用の画像出力機能も備えました。
本デジタルラジオグラフィ装置をラインナップ豊富な当社のX線撮影装置と組み合わせて導入いただくことにより,適切な線量による最適画像の提供に寄与できるとともに,一貫したメンテナンス・保守サポートを受けることができます。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
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