キヤノンメディカルシステムズ社製3T MRIの最新アプリケーションガイド
2017年6月
State of the Art Applications for Cardiac
非侵襲の心臓MRI検査が可能
3テスラMRI
心臓MRIでは1回の検査で様々な情報を得られます。SCMR※で推奨されているプロトコルでは、Cine MRIによるポンプ機能・形態、T2強調画像による心筋浮腫、冠動脈MRAで冠動脈狭窄、負荷Perfusionによる虚血評価、遅延造影(LGE)での心筋線維化・壊死の評価が挙げられます。中でも心臓ドックでMRIを使用する場合は、被ばくすることなく非造影で全ての検査(Cine MRI、T2強調画像、冠動脈MRA)を実施可能です。
※SCMR:Society for Cardiovascular Magnetic Resonance
安定した3テスラ心臓MRI検査
SUREECG™
心臓MRI検査をより安定して行うために“SUREECG”を搭載しました。MRIの中で心電波形を抽出する際、傾斜磁場によるノイズが心電波形にのり、R波をうまく検出できない現象があります※。これは1.5テスラより磁場強度の高い3テスラで顕著になります。SUREECGは、撮像前の心電波形と撮像中の心電波形とのモルフォロジカルマッチングを行うことで、R波を抽出します。従来10%前後発生していたミストリガーを2.1%に低減します。3テスラ検査でも安定した心臓検査を提供します。
※MHD効果:MagnetoHydroDynamic effect
より簡単に、より短く
SUREVOI™・CardioLine+
車の自動運転のように、非常に簡単に心臓検査を行えるアプリケーションが“SUREVOI”と“CardioLine+”です。 SUREVOIは、レジストレーションを用いた心臓推定技術であり、熟練した知識が必要とされる心臓MRI検査において寝台位置やVOI設定をアシストします。CardioLine+は、1回の息止め撮像で目的の断面を得ることが可能です。SCMR※推奨の左心系、右心系や弁の断面設定まで含めた全14断面を設定できます。
これらのアプリケーションにより、43%を占めていた操作時間の割合を9%まで削減でき、操作者に依存せず検査効率を向上します。
※SCMR:Society for Cardiovascular Magnetic Resonance
Cineから心筋ストレイン解析を可能に
MR WMT
MRIにおける心筋のStrain解析研究には、Tagging法が用いられ、追加撮像の手間や解析に時間がかかるなどの問題がありました。Johns Hopkins Universityとの共同研究により新たに開発されたアプリケーション“MR Wall Motion Tracking(以下MR WMT)”は、Cine MRI画像を用いて、エコーによるStrain解析と同様の評価が可能です。そのため追加撮像を必要とせず、日常検査に利用できます。
冠動脈解析を簡便に
MR Coronary Tracking
MR Coronary Trackingは、3T特有のMRCAコントラストにおいて東芝メディカルシステムズ社独自のTracking手法を採用し、芯線のトレース作業の負担を軽減可能な冠動脈解析アプリケーションです。自動的に冠動脈の枝名称を付与する機能や、ワンクリックでCPR・SPRを任意の回転角度、枚数で保存できるバッチ機能を有しています。これらにより、解析結果までの解析時間を軽減します。