TeraRecon, Incは,今回のRSNA2010で,来年(2011年)から米国で開始する予定のクラウドサービスを前面に押し出してPRしていた。同時に画像処理システム「iNtuition」の新バージョンについても,新たに加わったアプリケーションのデモンストレーションを行っていた。ブース内各所に設けられたデモンストレーションのコーナーには,大型ディスプレイを中心に実機とプレゼンテーション用のモニタを配置し,来場者に説明するという形をとった。
米国で展開する「iNtuition CLOUD」は,「iNtuition UPLOADER」というデータ送信のソフトウエアを用いて,データセンターにデータを送ると,ブラウザベースで,ワークステーション並みのフル機能から簡易ビューワのような簡便な機能まで,フルラインナップで利用することができるようになる。
また,次のアプリケーションのバージョンである4.4.6では,冠動脈の狭窄を自動検出する「CCSA(Centerline Cross-Section Analytics)」を搭載する。これは複数のクライアントで情報を共有しながら参照できるため,放射線科で3D画像を作成している部屋まで行かなくてもよいという,同社のサーバ型画像処理システムならではのメリットがある。また,新バージョンでは,脂肪解析・プラーク解析もリニューアル。過去データとの比較計測についても,これまでは肺野領域だけだったが,頭部などほかの部位にも適用できるようになった。このほか,新バージョンでは血栓を自動検出する「Auto-Sac display」が組み込まれる。デモンストレーションでは,「iGENTLE(General Enhancement and Noise Treatment with Lower Expose)」と呼ばれる,低線量の画像データに対してボリュームフィルタをかけることによってノイズを抑え,通常の撮影データと同等の3D画像処理が行える機能も説明していた。これらの機能を搭載した4.4.6のバージョンは,来年(2011年)米国でリリースされ,その後日本市場にも投入される。
さらに,今回のRSNA2010では,デュアルエナジーCTに対応した機能も紹介していた。装置側ではなく, iNtuition側でボーンリムーバルなどの処理を行う。現在は,シーメンス社とGE社のCTに対応している。
今回のRSNA2010では,iPhoneやiPadを使ったシステム,ソリューションを提供する企業の展示が多数あったが,同社でも「Aquarius MOBILE」というアプリケーションがアップル社のiTunes App Storeから提供されている。 同社の製品ユーザーであれば,使用することが可能だ。
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