回診用X線撮影装置では,デジタル型の「MobileDaRt Evolution」にキヤノンのカセッテサイズのワイヤレスFPD(CXDI-70C Wireless)を搭載したモデルを展示した(W.I.P.,日本国内薬事未承認)。FPDを搭載したデジタルモバイル装置は海外でのニーズが高く,アメリカでは年間の回診車の販売台数(300〜400台)の約半分がデジタルで,同社は30%のシェアがある。同社では,この市場での一層のシェア拡大をめざし,各社の製品が出そろいつつあるワイヤレスFPDを搭載したデジタルモバイル装置を投入し,ラインナップの充実を図るものだ。ケーブルフ
リーになったことに加え,撮影後3秒での参照画像の表示や,軽くハンドルを押すだけで動くパワーアシスト方式を採用した走行性など,MobileDaRt Evolutionが持つ特性と合わせたメリットは大きい。ワイヤレス化によって今後は,FPDへの移行が急速に進むと考えられる。日本国内では,CRの普及率が高いことからデジタルモバイル装置の導入はこれからだが,2年連続で東京都で感染症対策として導入が進むなど,ニーズが高まりつつある。感染症対策では,感染エリアで撮影から診断まで完結できるデジタル回診車のニーズがあるという。ワイヤレスFPDを搭載したMobileDaRt Evolutionは,アメリカでは2011年2月の発売を予定している。
また,アナログ型の「MobileArt Evolution」は,小児科向けに,ボディ全面に動物のイラストを施したモデルを展示した。
一方,同様にワイヤレスFPD を搭載した一般撮影装置(海外向け)では,アプリケーションとして,長尺による全身撮影への対応を進めている(W.I.P.)。X 線管の角度と連動して撮影パネルが移動して全身の撮影を行い,データを自動的に統合してつなぎ目のない高画質な全身画像を得ることができる。 |