RSNA2010がついに開幕した。今年度も数多くの演題が登録され,世界各国から多くの参加者が訪れていた。開会式には,8時30分からと早い時間にもかかわらず多くの参加者が訪れていた。
オープニングセッション終了後に,同じレイクサイドセンターのフロアにて”Gastrointestinal(Hepatobilliary Contrast Agents:Administratio and Uptake Physiology)”の口述セッションが行われた。このセッションではGd-EOB-DTPAや日本では認可されていないBOPTAなど肝特異性造影剤を利用した肝MRIのセッションであった。最も興味深かったのは,金沢大学放射線科の北尾先生の”The uptake transporter of Gd-EOB-DTPA (OATP8) expression decrease during hepatocacinogenesis”という発表が興味深かった。肝細胞相にてGd-EOB-DTPAを取り込む結節におけるUptakeの割合とOATP8の関係について詳細に検討されていた。他にはGd-EOB-DTPAの撮像パラメータの最適化(特に30度程度のFAを用いた検討)や注入レートの検討(1mL/secと2mL/sec)での検討,Gd-EOB-DTPAの倍量投与の有用性などが興味深かった。2009年度からRSNAで提言されている”Quantitative imaging”にもあるように,今後は,イメージングからいかに正確な情報を定量的に評価できるかが重要になると思われる。
インナビネット記者 林 則夫(金沢大学) |