JIRAが2024年の会長年頭所感発表会を開催
会員向けサービスの強化など環境変化への適応を強調
2024-1-11
山本章雄 会長
一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)は2024年1月10日(水),KKRホテル東京(東京都千代田区)において,恒例の会長年頭所感発表会を行った。山本章雄会長は,画像医療システム産業を取り巻く環境の著しい変化に適応していくことが重要だとして,JIRA自体が変革していくという姿勢を示した。また,冒頭,1月1日に発生した令和6年能登半島地震の被災者に見舞いの言葉を述べ,JIRAとしての支援を検討していると説明した。
年頭所感として,山本会長はまず2023年を振り返り,新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したこと,ロシアのウクライナ侵攻などの地政学的リスクの継続,インフレ転換によるゆがみ,人工知能(AI)などの技術の進化などを挙げ,医療界においても重要な事象だと述べた。さらに,2024年の医療関連政策の重要事項として,診療・介護・障害福祉サービス報酬のトリプル改定,医療機器のサイバーセキュリティの本格運用,次世代医療基盤法の改正,第3期健康・医療戦略の検討などを挙げた。
その上で,山本会長は2023年のJIRAの活動を説明した。JIRAは,2024年4月から医療機器のサイバーセキュリティ対応が必須となることを受け,会員企業向けにセミナーを開催するなどの支援を行った。山本会長はこれを踏まえて,医療機器のサイバーセキュリティに関する取り組みにはまだ課題があるとして,出荷ずみ製品への対応やユーザー向けのドキュメント,ソフトウェア部品表(SBOM)の扱いなどに言及した。さらに,山本会長は,2023年の活動として,SaMD(Software as a Medical Device)の審査の迅速化に取り組んだとし,その成果を紹介した。
また,山本会長は,2023年に取り組んだ会員向けサービスとして,「SaMnavi」「教育セミナー」「カンファレンスパーク」の3つを挙げた。2023年5月に開設したSaMnaviは,SaMDの開発・製品化のための相談窓口で,当該技術がSaMDに該当するかといったことを相談できる。また,教育セミナーは画像医療システム産業に従事する人材の育成を目的としている。ビデオ・オン・デマンド方式で,2023年4月から総合セミナーを開始。同年7月からは専科セミナーも配信している。カンファレンスパークは,医療従事者と会員企業を結ぶプラットフォームで,2024年上期の運用開始をめざしており,双方向セミナーなどを予定している。
このほか,山本会長は,環境変化への適応の一環として,「JIRA産業ビジョン」を改定することを明言した。
●問い合わせ先
一般社団法人日本画像医療システム工業会
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TEL 03-3816-3450
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