ソニー,27型の大画面空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」を発表

2023-5-15

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27型の大画面空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」を発表

27型の大画面空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」を発表

ソニー(株)は,実在感のある立体映像を裸眼で見られる27型の空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」を2023年6月12日に発売する。発売に先立ち,5月12日(金)にソニーシティ大崎(東京都品川区)にてプレス向けの新商品発表会を開催した。

ELF-SR2は,現行機種「ELF-SR1」(15.6型)に続く第2世代機で,大画面化と超解像エンジン搭載による高画質化で,より実在感のある立体空間映像表示を実現する。画面を見る人の視線を認識する高速ビジョンセンサーも第2世代へと進化し,視線認識精度と追従性能が向上したほか,マスクを着用した状態でも認識可能になった。
また,ELF-SR2の発売に合わせて空間再現ディスプレイ用のアプリを簡単に検索できるWebサイト「空間再現ディスプレイ アプリセレクト」を開設し,実利用促進をサポートする。同サイトでは,ソニーの3DCGデータ表示アプリのほか,点群データ表示アプリ,DICOMデータ表示アプリ,医療教育用アプリなどELF-SR2に対応するパートナーのアプリケーション群を,活用方法や事例などとともに紹介する。

発表会では,4月1日に設立された同社インキュベーションセンターのメタバース事業開発部門部門長の鈴木敏之氏が,メタバース関連事業の方針および空間再現ディスプレイの展開について説明するとともに,同部門プロダクトマネジメント部担当部長の太田佳之氏がELF-SR2の製品紹介を行った。また,アプリセレクトにラインアップされるアプリのクリエイターをゲストに迎えたパネルセッションでは,DICOMデータ表示アプリ「Viewtify」を提供する(株)サイアメント代表取締役社長・医師・博士(医学)の瀬尾拡史氏と,点群データ表示アプリ「InfiPoints」を提供する(株)エリジオンのプロダクトマーケティングゼネラルマネージャの中川大輔氏が登壇し,アプリの特徴やELF-SR2への期待についてコメントした。
DICOMデータ表示アプリのViewtifyは,CTやMRIの画像をリアルタイムで3DCGに変換できるアプリで,研究・教育用ソフトウエアとして2022年1月より販売を開始している。パネルセッションで瀬尾氏は,新たに4DCTをリアルタイムに表示可能になったことを紹介するとともに,医用画像におけるELF-SR2の意義について,「27型に大画面化したことで,成人の胸腹部も原寸大で表示可能になった。治療計画などで立体解剖を把握する際には3Dで見るべきだが,これまでは表示デバイスが追いついていなかった。ELF-SR2によって非常に奥行き感を持った3Dでの観察が可能になり,CTやMRIが本来持つ情報を人間が認識できるようになると感じている」と述べ,医療分野にELF-SR2が導入され,活用が進むことに期待を示した。
なお,Viewtifyを導入している施設では,カテーテル治療のシミュレーションや高難易度症例の手術適応の検討,低侵襲手術におけるアプローチの検討などに用いる研究が行われており,ELF-SR2により3D/4Dデータを原寸大で立体視できるようになることで,将来的に治療方針や術式の選択に影響を与える可能性もあると考えられる。

鈴木敏之 氏(メタバース事業開発部門部門長)

鈴木敏之 氏(メタバース事業開発部門部門長)

 

太田佳之 氏(メタバース事業開発部門)

太田佳之 氏(メタバース事業開発部門)

 

瀬尾拡史 氏(サイアメント代表取締役社長)

瀬尾拡史 氏(サイアメント代表取締役社長)

 

「Viewtify」(右)でCT画像をリアルタイムに3DCGに変換し,「ELF-SR2」(左)に表示するデモ展示。4DCTの立体視により大動脈解離のエントリーも明瞭に認識できる。

「Viewtify」(右)でCT画像をリアルタイムに3DCGに変換し,「ELF-SR2」(左)に表示するデモ展示。4DCTの立体視により大動脈解離のエントリーも明瞭に認識できる。

 

ELF-SR2にはサイドパネルやボトムスタンドを標準装備。スタンドやアームを使用した設置も可能。

ELF-SR2にはサイドパネルやボトムスタンドを標準装備。スタンドやアームを使用した設置も可能。

 

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