JIRA・山本会長が2023年の年頭所感発表会で医療現場への貢献などを発表
——SaMDをはじめとした新技術の社会実装への取り組みを推進

2023-1-10

日本画像医療システム工業会(JIRA)


山本章雄 会長

山本章雄 会長

一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)は,2023年1月6日(金)に恒例の年頭所感発表会を開催した。この中で山本章雄会長が,プログラム医療機器(Software as a Medical Device:SaMD)をはじめとした新技術の社会実装を加速するために取り組むことをアピールした。

山本会長は,まず2022年を振り返り,新型コロナウイルス感染症流行,さらにロシアのウクライナ侵攻により,半導体不足や物流の混乱などが生じた一年であった述べた。また,世界情勢が不安定な中で,自国優先主義を進める国があることにも言及。こうした中で,JIRAは,活動基本方針に基づいてデジタルトランスフォーメーション(DX)の拡大,医療従事者の業務効率向上への貢献といった重点課題を挙げて活動してきたと説明した。

山本会長は,その取り組みとして,新たな医療機器の早期社会実装に向けた環境整備を挙げた。SaMDなどの早期承認を受けるためには早く製品を市場に出してデータを収集し,蓄積したデータを基に有効性の評価を行い,予見性を確保するという短期間のサイクルが重要であることから,JIRAでは一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)を通じて,提言を行ってきた。さらに,データ利活用のための環境整備に向け,第2期医療機器基本計画の検討会などで要望を出している。また,2024年度の診療報酬改定に向けて,SaMDの評価やC2申請における予見性向上について提言の準備を進めている。このほか,山本会長はサイバーセキュリティへの対応や国際展開についてもこれまでの取り組みを報告した。

2022年の活動を踏まえて山本会長は,2023年の重要課題として,「技術の進展や医療現場のニーズを踏まえた将来の医療現場への貢献(診断支援技術の適用拡大,人工知能の市販後学習など)」「会員企業の開発意欲を促進する環境整備(保険償還における予見性の確保,法規制解釈ガイドライン)」「環境変化に伴う共有課題に対する会員企業への支援(部材調達,物流,脱炭素等環境負荷の低減,人材育成など)」の3点を挙げた。そして,これらの課題について,会員企業や行政・医療団体,学会,産官学と意見を交換して優先順位を検討し,産業としての発展に取り組んでいくと強調した。

 

●問い合わせ先
一般社団法人日本画像医療システム工業会
事務局
TEL 03-3816-3450
http://www.jira-net.or.jp

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