PHCホールディングスが2022年度第2四半期業績および中期経営計画を発表
——PHC(株)メディコム事業を分社化,2023年4月に新会社を設立
2022-11-24
中期経営計画「Value Creation Plan」を発表
PHCホールディングス(株)は,2022年11月9日(水)に2022年度(2023年3月期)第2四半期業績説明会を,11月16日(水)に中期経営計画改定に関する説明会をオンラインで開催した。同社は2021年10月14日に東証1部に新規株式上場。新たな経営体制の下に事業戦略の見直しを行い,2021年6月に策定した2021年度〜2024年度の中期経営計画「Value Creation Plan」を改定する形で,今回,2022年度〜2025年度の中期経営計画が示された。また,中期経営計画説明会では,PHC(株)のメディコム事業部とPHCメディコム(株)の統合(会社分割・吸収合併)が発表された。
2022年度(2023年3月期)第2四半期業績説明会では,代表取締役社長・CEOの宮﨑正次氏と常務執行役員・CFOのフレデリック・ライデンバック氏が登壇し,2023年3月期第2四半期の決算概要,通期業績見通しなどが報告された。決算概要としては,2022年度第2四半期の売上収益が1706億円,営業利益は105億円で,売上収益は昨年度の新型コロナウイルス感染症関連の大型需要の反動減があるものの,為替の好影響を受けて増収,営業利益は商品ミックスの変化やインフレ影響などにより減益となっている。同社の事業セグメントは,「糖尿病マネジメント」「ヘルスケアソリューション」「診断・ライフサイエンス」の3事業からなり,このうちヘルスケアソリューション(LSIメディエンス,メディコム)の売上収益は全体の38%を占める。同セグメントでは,売上収益はオンライン資格確認の好影響があるものの,PCR検査の診療報酬引き下げの影響で減収(△3.1%)となった。
なお,ヘルスケアソリューション領域の新製品や新たな取り組みとして,調剤薬局における売り上げデータの収集・集計の自動化を支援するSaaS製品「digicareアナリティクス」の上市や,遠隔医療サービスにおける取り組み強化としてリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」の実証実験(へき地巡回診療,マンション居住者を対象としたオンライン健康相談プログラム)の実施が紹介された。
中期経営計画説明会では,代表取締役社長・CEOの宮﨑氏が改定中期経営計画「Value Creation Plan」を説明した。宮﨑氏は,「研究から診断,治療,予防まで幅広く医療にかかわるお客様に対して,リーディングブランドにある製品・サービスを提供し,さまざまなステークホルダーとの連携・協働を通じて,バリューベース・ヘルスケアの実現に貢献していく」とのPHCグループのビジョンを述べた上で,中期経営計画の全体像と戦略について説明した。中期経営計画では,3つの事業セグメントそれぞれで基盤領域を発展させた成長領域を定義し,事業拡大を図っていく。
国内で安定成長を続けるヘルスケアソリューションの基盤領域については,構造変化に着眼した顧客拡大・強化を図るとしており,診療所・薬局向けのヘルスケアITを扱うメディコム事業では年平均成長率6%の売上成長目標を掲げた。さらに,成長領域としてデジタルヘルスソリューションを定義し,政府主導で医療DXが推進されていることを踏まえ,政府施策と連携しながら成長機会をとらえる施策を実行していく。戦略としては,蓄積したデータをステークホルダーへ提供するプラットフォームの立ち上げを構想しており,健康経営の充実やクラウドサービスの拡張,医師向けソリューションの展開などを図ることで,2025年度までに売上目標50億円をめざす。
また,そのロードマップの具体策として組織の最適化を挙げ,その一つとしてメディコム事業の分社化が発表された。製品・サービスの企画・開発を担うメディコム事業部をPHC(株)から分社化し,販売・カスタマーサービスを担うPHCメディコム(株)と垂直統合することで,迅速かつ一気通貫の戦略決定・実行が可能な組織へと変革することをねらいとしている。2022年12月にPHCホールディングス100%出資の準備会社を設立し,メディコム事業部との吸収分割,およびPHCメディコムとの吸収合併を行う。吸収分割/合併の効力発生日は2023年4月1日を予定している。
●問い合わせ先
PHCホールディングス(株)IR・広報部 IR担当
E-mail:phc-cp@gg.phchd.com