富士フイルム,コンパクト型デジタルマンモグラフィなどブレストイメージング領域を強化する新製品を発売
2022-10-24
低線量・高画質で患者にやさしい機能を搭載しながら
コンパクト化したAMULET ELITEと秋山雅孝氏
(富士フイルム執行役員メディカルシステム事業部⾧兼
富士フイルムヘルスケア代表取締役会⾧)
富士フイルム(株)は,デジタルマンモグラフィの新製品「AMULET ELITE」と超音波診断装置「ARIETTA 850 DeepInsight」の新機能“eScreening”に関する発表会を,2022年10月20日(木),東京都港区の本社で開催した。当日は,同社執行役員メディカルシステム事業部⾧兼富士フイルムヘルスケア(株)代表取締役会⾧の秋山雅孝氏がブレストイメージング領域における事業戦略を説明したほか,製品担当者から新製品概要の発表とデモンストレーションが行われた。
秋山氏は,富士フイルムのこれまでのブレストイメージング事業を振り返り,マンモグラフィ,超音波診断装置を中心に幅広い診断機器,検査薬を提供し,画像診断の質の向上に貢献してきたと説明。ブレストイメージング領域での富士フイルムグループの持つ技術と強みについて,1) 長年培った画像解析・処理や人工知能(AI)技術,2) 低線量・高画質を実現するデバイス設計技術,3) 医療従事者のワークフローを熟知などを挙げ,これらを生かし使いやすく,患者にやさしい製品の開発をめざしていると述べた。その上で,秋山氏は,今回の新製品を皮切りにして,富士フイルムと富士フイルムヘルスケアのそれぞれが持つ強みを掛け合わせた製品開発を加速させ,両社の販路を相互活用(クロスセル)するなどシナジーの一層の強化を図っていくと述べた。さらに,ブレストイメージングにとどまらず,今後,産科,婦人科などの“Women's Health”領域に対象を広げていきたいと抱負を語った。
AMULET ELITEは,富士フイルムのデジタルマンモグラフィ「AMULETシリーズ」の低線量・高画質技術や受診者にやさしい検査を提供する機能を搭載しながら,装置のコンパクト化を図りクリニックや検診施設などへの普及を図る装置だ。AMULET Innovalityにも搭載されている50μmの高精細パネル,低線量・高画質を実現する画像処理技術“ダイナミック処理(Dynamic VisualizationⅡ)”,FSC(Fine Structure Control)処理などをそのまま受け継ぐ。また,AMULET Innovalityではオプションの,受診者の痛みを軽減する“なごむね”機能を標準搭載している。
これらの機能を搭載しつつ,AMULET Innovalityに比べて設置面積約20%減,高さ約30%減,必要電力50%減などのコンパクト設計を実現し,検診バスやスペースの少ないクリニックなどでの導入を容易にした。また,撮影台の薄型化(45%),快適な検査姿勢をサポートするアームレストの採用など患者にやさしいデザインを取り入れている。
ARIETTA 850 DeepInsightに搭載された新機能であるeScreeningは,AI技術を活用して開発された乳房超音波検査の支援機能だ。検査中のBモード画像で,乳腺領域の質感,形状の違いを輝度特徴量として数値化し,周囲と異なる区域を枠で囲んで強調表示する。これによって,正常乳腺の中から異常が疑われる領域を見つける検査者の観察をリアルタイムに支援する。eScreeningでは,Bモード画面上の枠(検出ボックス)のほか,ヒートマップ表示,輝度特徴量の最大値の時系列グラフなどを同時に観察できる。ARIETTA 850 DeepInsightでは,電気ノイズのみを除去するDeepInsight技術で被検者の体格によるバラツキのない高精細な画像の提供,eScreening機能による検査者の負担軽減によって,乳房超音波検査における快適な検査環境の実現をめざす。
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富士フイルムメディカル(株)
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