エムがAI技術を用いて認知症のリスク評価を行う“MVision brain”を発表

2022-2-21

AI(人工知能)


エムがMVision brainを開発し,4月から東京ミッドタウンクリニックの脳ドックでテストランを実施

エムがMVision brainを開発し,4月から
東京ミッドタウンクリニックの脳ドックでテストランを実施

(株)エムは2022年2月18日(金),脳のMR画像のビッグデータを人工知能(AI)技術を用いて分析し開発した脳健康測定プログラム“MVision brain”を発表した。軽度認知障害(MCI)前の未病段階の認知症リスクを評価できる。4月から人間ドックなどを手がける東京ミッドタウンクリニックにてテストランを行う。また,脳ドック事業を展開するスマートスキャン(株)でも2022年中に開始する予定である。同日には,日本外国特派員協会(東京都千代田区)において記者会見を行い,代表取締役CEOの関野勝弘氏,ジョンズ・ホプキンズ大学放射線科教授で,創業者/技術顧問の森 進氏,東京ミッドタウンクリニック院長の田口淳一氏が出席し,MVision brainの特徴や事業展開について説明した。

MVision brainは,ジョンズ・ホプキンズ大学において森氏が開発したAI技術を用いたソフトウエアをベースとしている。脳内の505構造の同定,体積の測定が可能で,脳萎縮と脳血管の劣化状況を分析できる。教師データには,東京ミッドタウンクリニックで行われた脳ドックのMR画像3万例のビッグデータを用いており,年代ごとの正常値と異常値を検出できるようにした。また,MRIの機種や撮像条件に依存することなく,評価を行える。評価結果は,血管の劣化を示す白質の変化,萎縮の度合いを,それぞれA〜Dの4段階で示す。プログラムは,クラウドベースに加え,オンプレミスでの提供も予定している。なお,MVision brainは,今後プログラム医療機器の認証取得をめざすこととしている。

記者会見でサービスの概要を説明した関野氏は,認知症は2025年には約730万人が発症すると言われており,社会的コストも大きいと指摘。早期からリスク評価を行うことの重要性を述べた上で,MVision brainは認知症を減らすという社会貢献に加え,脳ドックの価値向上にも寄与すると説明した。また,国際磁気共鳴医学会(ISMRM)のゴールドメダルを受賞するなどMRI研究の第一人者として知られる森氏は,健康管理のための体重計・体脂肪計のように,MVision brainは脳の健康管理のツールであるとアピールした。日本人間ドック学会の人間ドック・健診イノベーション創造委員会委員長でもある田口氏は,今後の検診は認知症の予防の役割が重要になるとし,未病の段階から予防に取り組むことが大切だと述べた。その上で,MVision brainは,海馬だけでなく脳全体からリスクを評価でき,微妙な変化をとらえることができるとして期待を示した。

関野勝弘 氏(代表取締役CEO)

関野勝弘 氏(代表取締役CEO)

 

森 進 氏(創業者/技術顧問)

森 進 氏(創業者/技術顧問)

 

田口淳一 氏(東京ミッドタウンクリニック)

田口淳一 氏(東京ミッドタウンクリニック)

 

●問い合わせ先
(株)エム
https://www.corporate-m.com/

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