東和ハイシステムと日立製作所,歯科電子カルテ向けAI音声入力の共同開発を発表

2022-2-18

日立ハイテク

AI(人工知能)


決算発表会の中で両社の協創開始を発表

決算発表会の中で両社の協創開始を発表

西日本を中心に自社開発の歯科電子カルテ統合システムを展開する東和ハイシステム(株)は2022年2月15日(火),東京証券取引所兜倶楽部(東京都中央区)にて決算発表を行い,その中で,(株)日立製作所と音声入力が可能な歯科電子カルテシステムの開発に向けて協創を開始することを発表した。発表会には,東和ハイシステム代表取締役の石井滋久氏,取締役 監査等委員の髙橋睦治氏,日立製作所理事 サービス&プラットフォームビジネスユニットCOOの中野俊夫氏が出席した。

東和ハイシステムは,歯科医院での受付から診療,会計までを一貫してサポートする歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」を約3100の歯科医院に導入している。日立製作所とは30年以上にわたりパートナーとして協力関係を維持しており,Hi Dental Spirit XR-10iには,日立製作所のデータベースシステム「HiRDB」や指静脈認証,統合システム運用管理ソフトウエア「JP1」などを採用して高セキュリティを確保している。
今回の共同開発では,金融機関の大規模コールセンターなどでの実績がある(株)日立情報通信エンジニアリングの音声活用ソリューション「Recware」を採用。日立製作所の人工知能(AI)音声認識技術を活用し,発話を認識してテキスト化,文字列解析で発話内容を画面操作指示と診療結果に分けて電子カルテに送信することで,診療中に手袋を外さずに音声によるカルテ入力や画面操作を実現する。東和ハイシステムでは,診療内容をマスタ化(病名:約1300,処置:約4000,コメント:約5000)することで,iPadを活用した電子カルテ入力を実現しており,マスタを基にした歯科医療用語の辞書を学習させた用語モデルを整備することで,音声認識の精度向上を図る。
本技術については,2022年3月4日(金)〜6日(日)にパシフィコ横浜で開催される日本デンタルショーにプロトタイプを出展し,チェアサイドで治療をしながら音声で治療内容を入力するデモンストレーションを行う。今後,歯科医院での実証を重ね,2022年秋の製品化をめざす。

発表会で開発の経緯や概要を説明した石井氏は,iPadを活用した電子カルテシステムや,スマートフォンでの予約・診療・決済が可能なオンライン診療システムなど,先進技術を取り入れた製品開発・提供をとおして独自の世界観“It’s Hi Dental World”の実現をめざしているとし,「音声入力はIt’s Hi Dental Worldに命を吹き込むものであり,日立製作所との協創を通じて歯科医院のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していきたい」と述べた。
一方,日立製作所では,デジタル技術を活用してデータから価値を生み出し,イノベーションを加速するLumada事業を通じて,社会と企業経営の課題を解決し,人々のQOL向上や顧客企業の価値向上をめざしている。中野氏は,この思いが東和ハイシステムと一致したことで,今回の共同開発に至ったと述べ,「音声にかかわるデジタル技術もLumadaのコンポーネントの一つとして開発を進め,歯科医院のデータを安全に分析・活用できるクラウドサービスに発展させてLumada事業と連携させ,歯科医院における診療の高度化や患者の満足度向上に貢献していきたい」と展望した。

石井滋久 氏(東和ハイシステム代表取締役)

石井滋久 氏(東和ハイシステム代表取締役)

 

中野俊夫 氏(日立製作所)

中野俊夫 氏(日立製作所)

 

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