キヤノンメディカルシステムズ,「画論 29th The Best Image」をオンラインイベントとして開催
2021-12-23
昨年に続いてオンラインで開催
キヤノンメディカルシステムズ(株)は,「画論 29th The Best Image」を2021年12月19日(日)にオンラインで開催した(https://thebestimage.medical.canon )。2年連続のオンライン開催となったが,冒頭に挨拶した画論実行委員長(国内営業本部クリニカル営業推進部部長)の保坂健一氏は,「今年は対面での開催を予定し準備を進めていたが,さまざまな状況を考慮しWebを用いたオンライン形式での開催とした」と経緯を説明した。さらに,画論は診断・治療に有用な画像のクオリティ,被検者へのメリット,テクニックの創意工夫などの“クリニカルバリュー”を総合的に判断して最優秀賞を決定するもので,「本日の画論のプレゼンテーションやディスカッションを通じて,多くの知見を持ち帰り日常診療に役立てていただきたい」と締めくくった。
全プログラム終了後に挨拶した同社代表取締役社長の瀧口登志夫氏は,「われわれが開発してきた技術や製品の成果や評価を,プレゼンテーションやディスカッションを通じて直接聞くことができる画論は,開発から営業まですべての社員にとって貴重な機会であり,また励みにもなっている。画論を通じて共有された多くの優れた臨床応用を広く世界に発信していきたい」と述べた。さらに,上位入賞施設の画像でも使われたAI技術に基づく画像再構成法である“Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)”や読影支援ソリューションなどのAIソリューションは,診断の確信度を高め,運用の効率化に貢献し,コスト低減にも寄与する医療現場には欠かせない技術であり,「AIを活用しこれらの価値を提供する製品や技術開発の取り組みを新たに“Altivity”のブランド名で総称した。Altivityの下で高い品質と新たな価値を提供し,これからも医療に貢献していく」とまとめた。
画論は,来年2022年に30回を迎えるが瀧口氏は,「節目となる年にふさわしいイベントを企画している。来年こそは直接お目にかかることを楽しみにしている」と述べた。画論 30th The Best Imageは,2022年12月18日(日)に開催の予定とアナウンスされた。
当日のプログラムは,最初にCT,MR,超音波の各部門に分かれた最終審査のプレゼンテーション,順天堂大学学長の新井一氏による特別講演「脳神経外科学の発展をもたらしたNeuroimagingの進歩」,最終審査発表式が行われた。画論 29th The Best Imageの応募総数は417件,その中から46件が上位入賞として最終審査に進んだ。最終審査発表式では,部門ごとに最優秀賞受賞施設の発表に続いて,審査員の講評,受賞施設代表者からの受賞コメントの順で進められた。各部門の審査員と受賞施設は以下の通り。
〈CT部門〉
【審査員】
粟井和夫 氏(広島大学)
平井俊範 氏(熊本大学)
吉岡邦浩 氏(岩手医科大学)
陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学)
辻岡勝美 氏(藤田医科大学)
中屋良宏 氏(東洋公衆衛生学院)
山口隆義 氏(華岡青洲記念病院)
【受賞施設】
●1〜160列部門
【最優秀賞】
社会福祉法人 恩賜財団 済生会横浜市東部病院
「Hybrid ERにおけるOne stop stroke protocolを用いた急性期脳梗塞」
【テクニカル賞】
社会福祉法人 恩賜財団 済生会横浜市東部病院
「Hybrid ERにおけるOne stop stroke protocolを用いた急性期脳梗塞」
【優秀賞】
独立行政法人 国立病院機構 信州上田医療センター
「右小指屈筋腱皮下断裂」
●1〜160列(心血管)部門
【最優秀賞】
該当なし
【テクニカル賞】
岩手医科大学附属病院
「腹部大動脈瘤破裂」
【優秀賞】
岩手医科大学附属病院
「腹部大動脈瘤破裂」
独立行政法人 地域医療機能推進機構 九州病院
「Fontan(TCPC)術後遠隔期評価」
●Aquilion ONE部門
【最優秀賞】
東海大学医学部付属八王子病院
「転移性骨腫瘍(乳癌)」
【テクニカル賞】
山形大学医学部附属病院
「Perfusion CTでのみ捉えられた小膵癌」
【優秀賞】
医療法人同信会 福岡整形外科病院
「変形性足関節症 前方インピンジメント症候群」
山形大学医学部附属病院
「Perfusion CTでのみ捉えられた小膵癌」
松江市立病院
「ヨードアレルギー歴のある患者の大腸がん術前検査」
社会福祉法人 聖隷福祉事業団総合病院 聖隷三方原病院
「前立腺癌(シード挿入後)」
●Aquilion ONE(心血管)部門
【最優秀賞】
該当なし
【テクニカル賞】
医療法人春林会 華岡青洲記念病院
「心筋遅延造影によるSpectral解析」
医療法人社団 高邦会 福岡山王病院
「気管気管支および肺静脈還流異常症」
【優秀賞】
日本赤十字社 諏訪赤十字病院
「急性大動脈解離術後のリエントリー検索と大血管評価」
社会医療法人 天神会 新古賀病院
「左心耳閉鎖術術前撮影」
一般財団法人厚生会 仙台厚生病院
「左室リード位置を決定するためのCRT-D術前3D画像」
●Aquilion Precision部門
【最優秀賞】
藤田医科大学病院
「Monckeberg様硬化症を伴うClassical Giant cell arteritis」
【テクニカル賞】
国立がん研究センター 中央病院
「外陰がん」
【優秀賞】
杏林大学医学部付属病院
「脳腫瘍手術支援 Multi modality fusion」
〈MR部門〉
【審査員】
阿部 修 氏(東京大学)
伊東克能 氏(山口大学)
横山健一 氏(杏林大学)
小林邦典 氏(杏林大学)
小野 敦 氏(川崎医療福祉大学)
和田博文 氏(済生会熊本病院)
【受賞施設】
●1.5テスラ以下(脳神経)部門
【最優秀賞】
医療法人河内友紘会 河内総合病院
「急性期脳梗塞の疑い」
【テクニカル賞】
函館西部脳神経クリニック
「硬膜動静脈瘻」
【優秀賞】
金沢医科大学病院
「浅側頭静脈瘤」
●1.5テスラ以下部門
【最優秀賞】
頭とからだのクリニック かねなか脳神経外科
「左頸動脈狭窄(3D M-Echo法を使用したBone-like imageによる石灰化プラークの描出)」
【テクニカル賞】
医療法人顕正会 蓮田病院
「左腎動脈破格」
【優秀賞】
一般財団法人厚生会 仙台厚生病院
「CRT-D術前における冠状静脈洞とLGE評価」
頭とからだのクリニック かねなか脳神経外科
「左尿管癌」
社会医療法人 製鉄記念室蘭病院
「下大静脈血栓閉塞症」
千葉県済生会習志野病院
「L3神経根病変の疑い」
●3テスラ(脳神経)部門
【最優秀賞】
杏林大学医学部付属病院
「左lenticulostriate artery灌流領域における急性期脳梗塞」
【テクニカル賞】
杏林大学医学部付属病院
「Fast T2*BB法の臨床的有用性」
●3テスラ部門
【最優秀賞】
地域医療支援病院オープンシステム 徳山医師会病院
「若年者腰椎分離症のMR Bone Image」
【テクニカル賞】
自治医科大学附属さいたま医療センター
「左腎動脈瘤」
【優秀賞】
杏林大学医学部付属病院
「心臓MRI遅延造影におけるHigh resolution LGEの有用性」
●Clinical Update賞
金沢医科大学病院
「HCC フォローアップ(SPIO造影後FE-EPI T2*WI) 」
しんむら整形外科クリニック
「撮像後に調整可能 MTCパルス(0Hz)を用いた脂肪抑制画像」
〈超音波部門〉
【審査員】
●血管部門
松尾 汎 氏(松尾クリニック/藤田医科大学)
濵口浩敏 氏(北播磨総合医療センター)
●乳腺・甲状腺・表在部門
平井都始子 氏(奈良県立医科大学附属病院)
何森亜由美 氏(高松平和病院)
●腹部部門
畠 二郎 氏(川崎医科大学)
岡庭信司 氏(飯田市立病院)
小川眞広 氏(日本大学病院)
●心臓部門
伊藤 浩 氏(岡山大学)
瀬尾由広 氏(名古屋市立大学)
【受賞施設】
●血管部門
【最優秀賞】
東邦大学医療センター大森病院
「特発性腹腔動脈解離」
【優秀賞】
国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院
「脛骨を穿通する骨栄養静脈由来静脈瘤」
社会医療法人 寿楽会 大野記念病院
「橈骨皮静脈内に形成されたintravascular pyogenic granuloma」
●乳腺・甲状腺・表在部門
【最優秀賞】
医療法人IRO 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック
「全身性強皮症 (SSc:systemic sclerosis)」
【優秀賞】
東京大学医学部附属病院
「有棘細胞癌」
北九州市立八幡病院
「積極的経過観察により救済した精巣捻転の一例」
●腹部部門
【最優秀賞】
公立大学法人 福島県立医科大学附属病院
「小腸静脈瘤」
【優秀賞】
順天堂大学医学部附属順天堂医院
「腹部超音波検査で同定し得た膵胆管合流異常による先天性胆道拡張症と急性膵炎の1例」
茨城県立こども病院
「中腸軸捻転症に多発空腸閉鎖症が合併した新生児症例」
茨城県立こども病院
「膀胱尿管逆流症」
鹿児島医療生活協同組合 谷山生協クリニック
「多発虫垂憩室」
●心臓部門
【最優秀賞】
淀川キリスト教病院
「感染性心内膜炎精査で肺動脈弁下型心室中隔欠損症の初回同定と、さらに2つの瘻孔部位も同定した一例」
【優秀賞】
福岡県済生会二日市病院
「ペースメーカーリード線穿孔に対し穿孔部位の描出にコンベックスプローブが有効だった症例」
※なお,当日の模様は,「画論 29th The Best Image」(https://thebestimage.medical.canon )にて,2022年1月7日(金)11:00〜2月15日(火)17:00までオンデマンド配信される予定。
●問い合わせ先
「画論 ザ・ベストイメージ」事務局
メールアドレス:thebestimage@medical.canon
https://jp.medical.canon/