日本医療機器産業連合会が賀詞交換会に代わり「新年の会」をリモートで開催
2021-1-8
医機連の松本謙一会長。コロナ禍により,
リモートでの「新年の会」開催となった
一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)は2021年1月6日(水),「新年の会」を開催した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,例年,年頭に行っている賀詞交換会を中止。それに代わるものとして,各省庁や関係機関などから来賓がリモートで登壇する形式で実施され,Zoomによるリアルタイム配信も行われた。
冒頭で挨拶に立った松本謙一会長は,2020年11月の官民対話で,「革新的医療機器の創出に向けて」をグランド・タイトルに,(1)イノベーションの加速に向けた環境の整備,(2)医療機器の国内供給体制の整備,(3)デジタルトランスフォーメーション(DX)による医療データの利活用推進,(4)国際展開への対応,の4点について意見陳述を行ったことを紹介。特に医療機器の供給体制について,約10年前の新型インフルエンザ流行時に提案した,官民一体となった第3セクターによる備蓄体制案に再度言及したことに触れ,新型コロナウイルス感染症の流行により,安定供給体制の重要性を再認識したとした。また近年,医療機器産業界への異業種からの参入が増加しており,上記項目の実現に向けては,それらの企業との協業によるシナジー効果が重要ではないかとの認識を示した。
続いて,来賓として八神敦雄氏(内閣官房健康・医療戦略室次長)がリモートで登壇した。八神氏は,第4回日本医療研究開発大賞の内閣総理大臣賞にパルスオキシメータが選出されたことを紹介。2020年12月の授賞式での菅総理の挨拶を引用しつつ,パルスオキシメータに加え,ECMOなどの最先端の研究開発が新型コロナウイルス対応にも生かされていると述べ,今後もコロナ禍を乗り越えるような研究開発が推進されることへの期待を示した。
また,鎌田光明氏(厚生労働省医薬・生活衛生局長)は,コロナ禍での医療機器の安定供給への謝意を表すると同時に,2020年9月に一部施行された改正薬機法により,条件付き早期承認制度や医療機器の特性に応じた承認制度が導入されたことに触れ,制度の適切な運用により,有効かつ安全な医療機器を速やかに現場に届けていきたいと述べた。
そのほかに,堀岡伸彦氏(厚生労働省医政局経済課医療機器政策室長),畠山陽二郞氏(経済産業省商務・サービスグループ),高木秀人氏(文部科学省研究振興局研究振興戦略官/先端医科学研究放射線医学担当),藤原康弘氏(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長),三島良直氏(国立研究開発法人日本医療研究開発機構理事長)の各氏がそれぞれリモートで登壇,官民協力の下での医療機器産業の発展に向けた期待を述べた。最後に,医機連副会長の松山和矢氏が閉会の挨拶に立ち,DXの推進や新型コロナウイルス対応に向け,業界として連携して取り組んでいく姿勢を改めて示し,会を締めくくった。
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日本医療機器産業連合会
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