クラリス,「Claris Engage Japan 2020」でFileMakerでのCOVID-19支援の事例を紹介
2020-12-1
オンラインでの開催となった
「Claris Engage Japan 2020」
クラリス インターナショナルは,「Claris Engage Japan 2020」を2020年11月11日(水)〜13日(金)にオンラインで開催した。昨年まで,「FileMakerカンファレンス」として開催されていたもので,今年も当初は東京・大阪での開催を予定していたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い,参加者やスポンサー,スタッフの安全確保のためオンラインでの開催となった。11月11日からの3日間,スケジュールに沿って配信された後,11月16日(月)〜12月15日(火)までオンデマンド配信されている(https://engage.claris.co.jp )。オープニングキーノートでは,ブラッド・フライターグCEOが日本のユーザーに向けて,「FileMakerコミュニティの開発者やビジネスユーザーがそれぞれにつながりを持つこと(Engage)を期待してこのイベントをスタートした。今年は,多くの人にとって厳しい年となったが,状況の変化に対する適応力こそがクラリスのアドバンテージであり,COVID-19に対してもすでにさまざまなソリューションが提供されている。今後,日本の企業の大きな課題である“2025年の崖”問題に対しても,クラリスのソリューションがデジタルトランスフォーメーション(DX)に対して大きな力になれると確信している」とメッセージを送った。
セッションでは,メディカル事例として11日に有賀啓之氏(DBPowers代表取締役)による「COVID-19 北海道のコロナ感染症対策を支援」がスケジュール配信された。有賀氏は,FileMakerプラットフォームで開発された新型コロナ感染症(COVID-19)の感染者入院調整のためのシステムである「Covid Chaser」について,その構築の経緯を中心に講演した。
北海道では,全国よりも一足早く感染が拡大し2月下旬に日本で初めて緊急事態宣言を実施した。その中で,4月に札幌医科大学救急医学講座の上村修二講師らを中心に,患者の医療機関受け入れ調整のためのシステム構築の検討を始め,FileMakerでの開発実績を持つDBPowersに依頼があった。システムとしては,各医療機関がCOVID-19の入院患者数と受け入れ可能数を直接入力,参照して最新のデータを安全に共有できるものが求められた。さらに,上村講師からは状況が日々変化するため,“走りながら考えていく仕掛けが必要”という要望があったという。有賀氏は,アジャイル型の開発ができるFileMakerプラットフォームを採用,多くの医療機関がアクセスする必要性から“FileMaker WebDirect”で構築した。ちょうど同じ時期にクラリス社が,COVID-19に対応する医療機関や行政機関に対してクラウド環境の提供やソフトウエアライセンス貸与を含む支援を発表(https://www.claris.com/ja/blog/2020/claris-response-to-covid-19
)し,懸案だったライセンスの問題がクリアされて,Covid Chaserの開発がスタートした。開発は,最初に約10個の必須項目と入力のタイミングなどが現場から提供され,画面遷移や機能などを盛り込んだサンプルレイアウトで確認しながらアプリケーションで開発しWebで確認する方法で進められた。有賀氏は,「開発開始から14日でリリースしたが実際の開発日数は10日程度。初めてだったのは,打ち合わせもすべてオンラインで100%リモートで開発したこと。運用開始後も宿泊療養への対応や保健所との連携なども進めて,現在も準備病床数も把握できるように機能を追加実装している。今後は札幌市だけでなく北海道全域に展開できるように取り組みたい」と述べた。
●問い合わせ先
Claris Engage Japan 事務局
E-mail:claris_engage_japan@claris.com
TEL 045-680-2125
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