フィリップス,新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けたヘルステック・ソリューションを提供
2020-4-30
ライブ配信でフィリップスの取り組みを説明する
堤 浩幸 代表取締役社長
(株)フィリップス・ジャパンは2020年4月28日(火),新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に向けてフィリップスが提供する,医療機器やサービスなどのヘルステック・ソリューションに関するプレスセッションをオンラインで開催した。セッションでは代表取締役社長の堤 浩幸氏が登壇し,フィリップスの新型コロナウイルスへの対応や,新型コロナウイルスに対応する医療機関や自治体に提供可能な医療機器やサービスについて説明した。
フィリップスでは,グローバル対策チームと地域対策チームを立ち上げ,従業員の安全確保対策,顧客ニーズへの対応,事業の継続性の3つを柱に新型コロナウイルスに対応している。顧客に対しては,医療機器の導入やメンテンナンスなどのサポートを継続しつつ,新型コロナウイルスに対応する医療機関に対して人工呼吸器や生体情報モニタ,CT装置などの医療機器,遠隔ICUソリューションをはじめとする遠隔医療ソリューションを提供していく。ニーズの高まっている人工呼吸器については,サプライチェーンを含めて世界各地の拠点で生産体制の強化に取り組んでおり,2020年7月をめどに全世界での生産量を従来の4倍に拡大。一週間あたり人工呼吸器を4000台,軽症〜中等症患者向けの汎用型人工呼吸器を1万5000台生産可能な体制へと強化される。
堤氏は,医療崩壊させないためには,より早期に新型コロナウイルス感染症に対応して重症化を防ぐことが重要だと述べ,フィリップスが提供可能なソリューションを重症度に沿って説明した。
無症状・軽症者が自宅やホテルなどで療養するケースに対するソリューションとしては,「SOSボタンLite」やクラウドを利用した来院希望者への遠隔問診などが挙げられる。このうちSOSボタンLiteは,心肺停止からの社会復帰率世界一をめざすフィリップス・ジャパンの「Heart safe city」構想において活用されている「SOSボタン」をベースにしたもので,ホテルなどの患者受け入れ施設においてナースコールの代用として,また,独居高齢者などが自宅で療養する場合の地域のナースコールとして活用できる。さらに,酸素濃縮器や人工呼吸器,パルスオキシメータなどをパッケージで提供していく。
医療機関に入院する軽症者・中等症者に対するソリューションとしては,超音波診断装置や生体情報モニタ,人工呼吸器などがある。超音波診断装置については,スマートデバイスを用いた超音波診断装置「Lumify」を,新型コロナウイルス感染症対策のパッケージとして限定的に先行提供する。軽症〜中等症患者向けの汎用型人工呼吸器は,マスク・挿管の両方に使用可能で,重症患者用に人工呼吸器を確保するためのソリューションとして提供される。また,ヘルスケアモビリティ(MaaS)を新型コロナウイルス対策用に提供することも可能で,ホテルなどに滞在する患者に対し検査や診察が必要となった場合に医療従事者が出向くことで,来院受診による感染の広がりを防ぎながら医療を届けることができる。
重症者に対するものとしては,昭和大学などとトライアルで運用している遠隔ICUソリューションが挙げられる。ベッドサイドスタッフと連携して遠隔地から患者管理を行う支援センターは,集中治療医(eMD)1名,看護師(eRN)1名,医療事務作業補助者(eHUS)1名を基本構成とし,150床までのICUに対応する。医療従事者が不足していく中での重症患者の管理,感染リスクの軽減,地域間格差の軽減に貢献すると期待される。
堤氏は,医療従事者をつなぐためのプラットフォームが今後ますます重要になるとし,ヘルスインフォマティクスを強化することで,トータルに考え相乗効果を生み出せると強調した。そして,「ソーシャルディスタンスが心理的な距離になってはならず,人と人のつながりをなくしてはならない。助け合うことで相乗効果が得られる新しいソリューションを取り入れ,医療従事者とともにヘルスケアの価値を創造し,皆さんとともに新型コロナウイルス感染症に対応していきたい」とメッセージを述べた。
●問い合わせ先
株式会社フィリップス・ジャパン
ブランド コミュニケーション部
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